地域のさまざまなこどもの居場所活動
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こども食堂福太んち(福島区)
[ 2025/09/02 更新 ]
看板犬がお出迎え
福島区の玉川駅から少し歩くと、住宅街の中にワンちゃんのイラストが描かれている看板が見えてきました。建物の前では、色とりどりの野菜が格安で売られています。『こども食堂福太んち』(以下、『福太んち』)は、2021年4月に活動をスタートし、1年後には『一般社団法人ラタラボ』として新たなスタートを切りました。「様々な方から協力を得やすく、活動の幅を広げるには一番この形が良いと思ったからです」と話すのは、代表の吉野有紀さん(以下、吉野さん)。実は建物の前で売っていた野菜は、味には何も問題がないのに中央卸売市場で売り物にならなかったB級品を譲り受けたもの。この仕組みでフードロスを減らすとともに、売り上げは『福太んち』の活動費に姿を変えます。
普段は、少林寺拳法の道場の先生をしている吉野さんですが、コロナ禍がきっかけで、人とのつながりの大切さを再確認しました。そこで、習い事としてだけではなく、地域のこどもたちが安心して人と会える場所を作りたいとの思いから活動を開始。「飼っている犬が福太くんなのでこどもたちが“福太んちに行ってくるわー!”と友達のお家に行くような気軽な感じで来てほしいと思い、この名前にしました」と、吉野さん。
毎週火曜日の食堂では、会食形式とお弁当配付の2パターンを用意。メニューのこだわりは、野菜をたくさん使うことと、給食献立の食材や味付けと被らせないことです。毎回9升のお米を炊くほどたくさん用意しますが、それでも申込開始と同時に、予約が殺到するほど地域のこどもたちやママから大人気。準備から大忙しですが、少林寺拳法の道場に通うこどもの保護者が中心となり、『福太んち』の活動を支えます。
吉野さんは、食事以外にも体験の機会を大切にしています。今年は、京都での田植え体験や地域のコミュニティセンターを借りて“福太祭り”を開催。福太祭りでは、こどもたちが八百屋さんになり、野菜を販売しました。吉野さんは「これからもこどもたちにもっといろんな体験や経験をしてもらいたいと思っています。そのためにも、活動を継続させられるように頑張ります」と、素敵な笑顔で話してくれました。
吉野さんを見上げる看板犬の福太くん
寄附でいただいたお魚をふんだんに使ったメニュー
夢中になって泥だらけ