2025.12.16

つながりをつくる・くらしをささえる・活動をひろげる 社協で働く私の仕事⑥

 社会福祉協議会(略称:社協)は、社会福祉法に位置づけられた「地域福祉の推進」を図ることを目的とする民間団体です。
 住民や地域団体、民生委員・児童委員、社会福祉施設、NPO、企業などと連携し、互いにつながり、支え合い、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、さまざまな活動を展開しています。
 具体的には地域福祉活動の立上げから継続の支援、ボランティアの育成や需給調整、関係団体のネットワークづくり、生活や福祉に関するお困りの方への相談支援など、その役割は多岐にわたります。
 そんな社協についてわかりやすく伝えられるよう、入職3年目~6年目の若手職員に社協として担当している仕事やそこに込める思いを聞きました。
※本記事は、7月29日に開催した大阪市社協内定者説明会の内容をもとに編集しています。
<藤井包括支援担当主事>
―具体的な仕事内容を教えてください。
 地域の高齢者やその家族から、介護や福祉に関する相談を受け、介護サービスや社会資源につなげたり、ケアマネージャーなどから困難ケースの相談を受け、助言や地域ケア会議を開催しています。また、地域住民向けに介護予防や高齢者の権利擁護に関する勉強会を開催したり、地域包括支援センターの周知や地域関係者との関係を構築するため、地域活動へ参加することもあります。
※地域包括支援センターとは、介護・福祉・保健などに関する地域の高齢者の総合相談窓口。主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)、社会福祉士、保健師や看護師などの専門職が、介護、福祉、保健などに関して、地域住民からの相談に応じたり、高齢者を支える地域づくりを進めたり、介護予防ケアプランの作成やサービスを利用するためのお手伝いをしています。また、成年後見制度の活用や虐待防止などの高齢者の権利を守る取組みなど、さまざまなかたちで地域の高齢者の生活を支える業務をしています。

▲ケースを共有し連携した支援を実施

―どのような時にやりがいを感じますか。
 私たちが関わったことで、相談者本人が安心して生活できるよう暮らしが変わっていくのが目に見えることです。相談支援は本人の生活を左右することもあるため、責任は大きいですが、「ありがとう」と感謝の言葉をたくさんもらうことができると、やっててよかった!と思えます。
<戸川生活支援コーディネーター>
―具体的な仕事内容を教えてください。
 介護が必要となる前の高齢者に向けて、「地域での通いの場づくり」や「活動への参加のきっかけづくり」などを地域包括支援センターや地域福祉コーディネーターと連携しながらおこなっています。
 特に印象に残っていることは、包括圏域でのラジオ体操の支援を行ったことです。コロナ禍で外出や交流の機会が減っていたこと、地域には福祉会館に隣接する公園があったこと、また、高齢者を対象に実施したアンケートをとった際に「公園は病院に次いでよく行く場所」との声が多かったことから、包括支援センターと協議し、公園でのラジオ体操を始めました。最初は地域の会長、地域福祉コーディネーターとの協力体制づくりに時間がかかって大変でしたが、今では平日は毎日午前11時に実施できるようになりました。
―どのような時にやりがいを感じますか。
 ラジオ体操は立上げから、1年以上継続できています。参加者から「買い物の前に立ち寄るのが習慣になった」「運動の習慣ができた」といった声がやりがいになっています。ラジオ体操の取組みを通して、包括とも普段から連携しやすくなりました。

▲公園に集まってみんなでラジオ体操

<松原見守り相談室管理者>
―具体的な仕事内容を教えてください。
 高齢者や障がい者のみならず、8050問題などの複合課題世帯や自宅がごみ屋敷になってしまった人など、さまざまな人とかかわる機会があります。本人や家族とかかわっていくなかで、相談者の状況や課題の背景などを把握し、必要なサービスや支援につなげてています。見守り相談室だけでは支援が難しいケースもあり、その際は地域包括支援センターや行政など、関係機関と連携しながら支援をしています。

▲相談者宅に訪問する様子

―特に印象に残っているケースはありますか。

 介護サービスを利用していない認知症の70代女性のケースです。警察からの連絡をきっかけにかかわることになりましたが、本人は昼夜逆転の状態であり、なかなか会うことができませんでした。夫は「認知症は治らないから病院に行っても無駄」と話し、本人も医療への拒否が強い状況でした。見守り相談室は地域包括支援センターやオレンジチームと連携し、本人・家族と信頼関係を築きながら継続的に訪問しました。粘り強い関わりを続けた結果、理由は定かではないですが、介護保険の申請につながり、本人はグループホームで落ち着いて生活できるようになりました。夫も介護疲れから解放され、自分らしい生活を今では送られるようになったケースです。

<門脇福祉部主事>

―具体的な仕事内容を教えてください。
 これまで多くの事業を担当してきましたが、今年は地域福祉活動支援事業を担当しています。その中で事業担当者の連絡会や研修を企画しています。大阪市の強みは幅広い事業と24区もあるということだと思っているので、その特色を活かせるように担当者間がつながれる機会づくりをしています。また、ヨコヨコのやりとりだけでは解決できないこともあるため、そういった時には他市町村の取組みを情報提供しています。ほかにも、広報誌の取材等で地域福祉活動に訪問することもあります。
―特に印象に残っているお仕事はありますか。
 昨年度発生した能登半島地震の被害を受けて、石川県七尾市災害ボランティアセンターで支援活動をおこなったことです。支援活動を通じて、被災しながらもできることを模索して取り組まれている現地の方々に寄り添って支援することの大切さを肌で感じました。誰もが被災し、困りごとを抱えているなかでご近所間での支え合いやつながりを目の当たりにし、平時からつながりづくりを働きかけることの大切さを実感できた貴重な経験となりました。

▲活動内容や注意事項をボランティアに説明

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