2024.11.18

つながりをつくる・くらしをささえる・活動をひろげる 社協で働く私の仕事⑤

 社会福祉協議会(略称:社協)は、社会福祉法に位置づけられた「地域福祉の推進」を目的とした民間団体です。
 住民や地域団体、民生委員・児童委員、社会福祉施設、NPO、企業などと連携し、互いにつながり、支え合い、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、さまざまな活動を展開しています。
 具体的には地域福祉活動の立上げから継続の支援、ボランティアの育成や需給調整、関係団体のネットワークづくり、生活にお困りの方への相談支援など、その役割は多岐にわたります。
 そんな社協についてわかりやすく伝えられるよう、入職2年目~5年目の若手職員に社協として担当している仕事やそこに込める思いを聞きました。
※本記事は、8月9日に開催した市社協内定者説明会の内容をもとに編集しています。

 

<岡田地域支援担当主事>

―具体的な仕事内容を教えてください。
 地域支援担当では地域に出向くことが多く、地域行事に参加して地域住民とのつながりづくりや、活動するうえでの相談対応のほか、ボランティアに来てほしい施設や団体と活動したい方をつなぐボランティアコーディネーターも担っています。多機関と連携してつくり上げる活動や、区社協が事務局機能を担っている会議などでは運営もおこなっています。

 

―普段どのような思いで仕事をしていますか。
 地域支援を担当して3年目となり、決められたことをそのまま行うのではなく、取組みの目的や多機関との連携を意識して取り組んでいます。
 さまざまな場面で何かを伝えることが多くあるなか、その時々の対象者にあわせた説明が求められる難しさもあります。ついつい専門用語を使ってしまい、配慮が足りなかったなと反省することもあるため、多くの方と接する機会が多いからこそどのように説明するか、どこまでお伝えできるかを慎重に考えて、取り組んでいます。

 

―やりがいを感じたエピソードを教えてください。
 保育園から「お楽しみ会を盛り上げてくれるボランティアに来てほしい」と相談を受け、区内で活動している人形劇のボランティアグループとのマッチングをおこなった際に、双方の笑顔が見られた瞬間がとても印象に残っています。
 こどもたちが笑顔で人形に触れ、その様子を見たボランティアも笑顔になっているのを見て、ボランティア活動を通して、関わるみんなが素敵な時間を共有できた瞬間で、そこに立ち合えた時にボランティアコーディネーターとしてやりがいを感じました。

▲こどもと笑顔で交流するボランティア

 

<久保生活支援コーディネーター>

―具体的な仕事内容を教えてください。
 生活支援コーディネーターは、高齢者が地域でいつまでも元気に暮らすことのできるよう、地域住民や専門職とつながりをもち、高齢者を支える助けあいの仕組みづくりや、高齢者が参加できる場づくりや情報発信などをおこなっています。地域住民を対象としたLINE講座では定員を超える応募があり、受講者からの「もっと多くの人が受講できるようにしてほしい」「スキルアップしていきたい」という声を受け、受講者がボランティアとして活動し、活躍できる場づくりをすすめています。

 

―普段どのような思いで仕事をしていますか。
 社協職員として4年目となり、社協組織の一員として業務をおこなうことを意識し、とにかくやってみるという姿勢で取り組んでいます。異動を経験して職員間の連携の重要性を感じたため、ほかの職員の業務内容や事業を把握することを意識し、内部での連携を心掛けています。
―どのような時にやりがいを感じますか。
 一年目は、先輩職員についていくことで精一杯でしたが、地域に足を運び、コミュニケーションを重ねるなかで、自分が取り組みたいことやできることを見つけることができ、社協職員として関わる意味や目的を考えるようになりました。今では、自分の意見や考えを自由に出し、取り組みたいことに挑戦できることにやりがいを感じています。

▲モルックをテーマとした介護予防の場

 

<大西包括支援担当主事>

―具体的な仕事内容を教えてください。
 地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口として、介護や福祉に関するさまざまな相談を本人や家族・地域住民などから受けています。困りごとをどのように解決していくのか一緒に考え、適切な介護サービスや制度、関係機関につなげるなどの支援をしています。区の地域包括支援センターの広報紙作成や、地域の方と高齢者が交流できる場である認知症カフェの運営も担当しています。

 

―普段どのような思いで仕事をしていますか。
 さまざまな方と接する仕事なのでこちらが意図していない受け取り方をされる場合もあるため、伝え方や関わり方など悩むことも多いですが、上司や先輩職員、関係機関の方々から教わるなかで、自分自身の知識や経験、引き出しを増やし、より良い支援に向けて、自分自身の力を活かしたいという前向きな気持ちで働いています。

 

―どのような時にやりがいを感じますか。
 個別の相談支援の業務になるため、相談者からの「相談してよかった。ありがとう」と伝えてもらえた時や、相談で来所された時はどこかしんどさを抱えていた本人や家族が、私たちが関わることによって、イキイキとした表情に変わっていく様子を見ることができた瞬間です。「一日テレビを見るだけで楽しいことが何もない」と言われていた方が、サービスを利用するようになり、「いまでは楽しく過ごせているよ」と言ってもらえた時は私もうれしい気持ちになりました。

▲認知症カフェの様子

 

<植岡総務課主事>

―具体的な仕事内容を教えてください。
 私が総務課で主に担当しているのが、職員が働いている状況を管理する労務管理や大阪市社協としての広報情報発信、理事会・評議員会など組織の重要な意思決定の場に携わったり、長年、地域福祉の推進に貢献してきた人を称える表彰など、業務は多岐にわたります。

▲市・区社協の概要について説明

―普段どのような思いで仕事をしていますか。
 入職直後は勤怠管理のことや就業規則など大学では学んできていない内容ばかりで、不安と戸惑いもありましたが、どこの配属であっても、最初は慣れないことや分からないことが多くて当然ということに気づきました。周りから多くの知識・経験を吸収する姿勢を大切に1年間駆け抜けてきましたが、いまもその姿勢を大切に取り組んでいます。

 

―どのような時にやりがいを感じますか。
 私一人の力で完結できる業務はないため、業務を進めていくためには所属内はもちろん、別の課や区社協職員の協力が必要であるため、業務を通じて皆さんの支えを実感しています。業務を通じて、新たな視点・価値観で社協の活動を見ることもあります。暮らしや地域を支える社協職員・組織を支えるという立場として、間接的に地域福祉の推進に貢献できているという視点に立つことができたのは、皆さんのサポートのおかげだと思っています。

本会ではHP内に採用サイトを設けています。求人情報や採用情報のほかに、「声で知る社協のシゴト」というコーナーを設け、大阪市社協のやりがいや魅力を発信しています。ぜひご覧ください。(詳細はこちら
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和6年9月号掲載記事に基づき加筆修正しています。