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令和6年度キャラバン・メイトフォローアップ研修を開催しました!
令和6年度キャラバン・メイトフォローアップ研修を開催しました!
3月7日、大阪市で活動しているキャラバン・メイトを対象に、フォローアップ研修を開催しました。フォローアップ研修とは、メイト個人が認知症サポーター養成講座を開催するためのスキルアップやメイト同士の連携を図ることを目的として、大阪市では年に1回(例年3月頃)開催しています。
企業や医療、介護従事者、地域で活動されているボランティアの方々、社会福祉協議会や地域包括支援センター、オレンジチーム(認知症初期集中支援チーム)職員などさまざまな職種の方たち、計66名のメイトの皆様がご出席くださりました!ご多忙のなかご参加いただきありがとうございます。
研修の前半部分では令和7年1月に新しく発行しました、大阪市版認知症サポーター養成講座テキスト「認知症を学びみんなで考えましょう」を用いて、新しく盛り込まれた内容や旧テキストとの変更点をお伝えするほか、認知症基本法や認知症施策推進基本計画に明示されているとおり、『新しい認知症観』に基づいた講座開催が求められていることから、認知症サポーター養成講座でお伝えいただく際のポイントを整理し皆様へご説明いたしました。
新しいテキストの内容については、こちらからご確認いただけます。気になる方はチェックしてみてください。
そして研修後半の意見交換会では、初の試みとして「ワールド・カフェ形式」に則ったグループワークを実施しました。
20分のワークを3ラウンド、ラウンドごとに異なるメンバーで、さまざまな職種や経歴をお持ちの方々と意見交換していただきました。
ワールド・カフェは話し合いのなかで、なにか結論や解決策を見出すことを目的としているわけでなく、参加者同士の活発な意見交換を目的としているワーク形式です。そのため、グループのメンバー全員が心地よく発言できるよう下記のようにルールを定め、実施しました。
ラウンド1はあらかじめ定められたメンバーで、ラウンド2以降は各自自由に座席を移動していただき、他の地域で活動している多くのメイトさんと話し合っていただきました。
初めての試みでしたが、アンケートからは、「大変有意義だった」「今後の講座につながるようなアドバイスをいただけて参考になった」「たくさんの方からお話を聞けてよかった」と好評をいただき、当日も笑い声が聞こえたり活発に意見交換されている様子を確認でき、事務局としても安堵しました。
ラウンドごとに話すテーマも異なっていましたので、テーマごとに意見交換いただいた内容を一部共有させていただきます。当日出席できなかった方も、当日出席いただいた方で他のグループの意見も聞いてみたいという方も、大阪市に限らず他の地域で活動している方も、講座開催の際に参考にしていただければ幸いです。
(1)講座開催に関して、困ったり悩んでいることは?
・開催者の思いを伝えることができているのか不安。
・キッズ講座を開催するとき、こどもの学年や年齢に合わせた説明や資料・教材はどうしたらいいか。
・講座開催の周知方法に悩んでいる。
・90分では時間が足りない。 など
認知症の正しい理解の普及・啓発のためには、予防の考え方についても丁寧にお伝えすることが大切だとの声も多くありました。「こうすれば認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という予防の考え方を改めて確認する機会となりました。
キッズ向け講座の内容は、こどもの学年や年齢に合わせた伝え方、創意工夫が必要になります。具体的な工夫点については次の(2)でも記載させていただきますが、以前、大阪市キャラバン・メイト事務局が保育園で実施されたキッズ講座の様子を取材させていただきました。その取材内容を「活動れぽーと」に掲載していますので、そちらもぜひご覧いただければと思います(★記事はこちら)。
認知症サポーター養成講座は90分で実施することが原則とされていますが、最低90分必要ということであり、90分を上回る開催については全く問題ありません。受講者さまのご負担にならない範囲で、柔軟に対応いただければと思います。
(2)講座開催に関して、取り組んでいることは?
本テーマでは、養成講座を開催するにあたり、「これをやってみたらうまくいった!」「こんな工夫しています!」という視点で意見交換していただきました。
・早期発見のきっかけとして認知症チェックリストを活用
・脳トレ、ブレパサイズ、笑いヨガで脳の活性化
・キッズ向け:紙芝居、クイズ形式、かるた、声かけ訓練
・動画編:認知症の人本人からのメッセージ動画等、サブちゃんシリーズ(鹿児島県さつま町地域包括支援センター作成)、パラパラ漫画動画(鉄拳パラパラ漫画チャンネルhttps://youtu.be/PLByXFDaMnU?si=b4QszFKhCiigWr6C:鉄拳「お父さんは愛の人」)
・いろいろ試してみたが、寸劇が最も理解しやすい
・自身の職歴経験から具体的なエピソードをお話しする
・講座に認知症の人本人やその家族をお呼びし、交流会の実施
・対象に合わせて見やすい資料づくりをする
・申込みの際に、webフォームを導入したことにより若い人の受講が増えた
私自身も初めて聞く言葉が複数あり、どんな内容なのか詳しく聞いてみたいものもたくさんあります。事務局が昨年取材に伺った講座では、脳トレ体操の実施やサブちゃんシリーズの動画を視聴することで、楽しく和やかな雰囲気で学習されている様子がありました。
認知症基本法やそれに基づく認知症施策推進基本計画では、認知症サポーター養成講座などの場を活用して、認知症の人本人や家族と交流したり、本人の声を聞く機会を設けられるよう努めることが明記されています。現時点でもすでに関係機関を通じて、本人と交流する機会を設けようとはたらきかけてくださっているメイトさんがいると知り、事務局としてもうれしい限りです。
(3)これからやってみたいことは?
これまで活動を積み重ねてきた経験や本研修で2回意見交換するなかで、新たに見出した目標や持ち帰って取り組んでみたいことを話し合っていただきました。
・オリジナルグッズ、オリジナル動画をつくってみたい
・若年性認知症に特化した認知症サポーター養成講座の開催
・小中学校の福祉教育の枠内にとどまらず、区内全域に広く開催していきたい
・開催する地域の特性を把握してから講座の準備をしていきたい
・就学前の児童を対象としたキッズ講座を開催してみたい
・認知症の人本人に協力いただけるようまずは情報収集から始めたい
・前向きなことを伝えていきたい
このラウンドでは、皆さんが実践してきたたくさんの創意工夫や自由なアイデアがたくさんお聞きできたのではないかと思います。オリジナルグッズや動画が実現した際には、ぜひ事務局にも共有いただきたいと思います!
さらなる活動への展望・今後の活動方針について視野を広げられたことはもちろん、他者の話を聞き、活動への意欲が増して「まずはコツコツ頑張ってみたい」という想いも、1人ひとりの声をきちんとお聞きすることができました。本当にありがとうございました。
今回の意見交換会を経て、メイト活動に限らず新しく一歩踏み出すきっかけになれたのなら、事務局としてこれほど嬉しいことはありません。
これからもメイトの皆様が安心してスムーズに活動を継続できるよう、情報の発信、後方支援に取り組んでいきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願いいたします!
<大阪市キャラバン・メイト事務局>