2020.12.24

【淀川区】災害ボランティアセンター 運営ボランティア養成講座~カードゲームでマッチングを体験~


※本記事は大阪市社会福祉協議会ホームページの過去の掲載記事を転載しています。情報は記事掲載時点のものであること、また、リンク設定が一部無効となっている場合があることをご了承ください。

災害ボランティアセンターを体験で知る

▲「災害VCとは?」 参加者は熱心に聞き入っていました

9月19日、淀川区民センターで「第2回災害ボランティアセンター運営ボランティア養成講座」が開催されました。

第1回は、一般区民を対象に「津波・高潮ステーション(西区)」の見学がおこなわれました。第2回の今回は、一般社団法人ピースボート災害支援センターの指導のもと、災害ボランティアセンター(以下、災害VC)の機能や運営を考えるグループディスカッション形式のワークショップをおこないました。会場には、一般応募の地域住民、社協会長、町会長、地域の防災リーダーなど約60人が集まりました。

前半は、災害VCの位置づけや役割について説明がおこなわれました。災害VC運営の三原則は「被災者中心」「地元主体」「協働」であり、ボランティアの力を借りながら、復旧・復興に向けて取り組み、被災者の自立・生活再建をサポートするのが目的です。地元の実情を把握し、地域資源を再生・開発して、長期的な支援につなげていくことが求められます。具体的な運営業務の紹介は、参加者一人ひとりが「我が地域のこと」として、災害VCを総合的に理解するよい機会となりました。

後半は、「災害V Cマッチング体験カードゲーム」を活用して、参加者に運営ボランティアを体験してもらいます。進行役から渡される被災者のニーズカードの内容を把握し、多様な特徴を持つボランティアのカードをマッチングさせていく。途中、マスコミ対応や、けが人が発生したなどのハプニングが起こったときは、その都度、対応しなければなりません。各グループとも、地図を広げて、議論を重ねながら、案件に対し慎重に対応策を講じていました。

▲みんなで意見を出し合いマッチング体験


移り変わる状況にどう対応するか

また、災害VCを立ち上げた当初、大人数のボランティアがやってくる大型連休、数ヶ月を経て災害VCの閉鎖を視野に入れる時期など、3つのフェーズに分け、状況の移り変わりも体験します。対応が難しかったことや判断に迷ったことなどを振り返り、グループごとに発表し、「答えはひとつではないこと」「判断次第で状況が変わっていくこと」を実感しました。目の前に災害が起きたら、ゆっくりと考える余裕はないかもしれません。だからこそ、災害が起きる前に、多様な課題にふれておくことが必要です。

淀川区社協の三田和夫会長は「マッチングの難しさを実感した。被災状況やニーズを伝える立場として責任を感じました。地域に持ち帰り、みんなに伝えます」と話します。

同講座の企画者の一人、区社協・生活支援コーディネーターの谷澤庸介さんは、「地域と災害ボランティアセンターの連携は必須。地域社協会長や防災リーダーには、この体験を通じて、連携の入口に立ってほしいと思いました。そのためには、まず災害VCの存在と役割を知ってもらわなければなりません。今回の講座が、はじめの一歩になったらいいと思います」と期待しています。

▲最後に区社協職員より配慮が必要な方への対応方法を説明


本記事は、「大阪の社会福祉」第786号(令和2年11月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)