2023.11.13

男性による男性の居場所活動 ビールやコーヒーで至福のひとときを ~昭和男のロマン喫茶~

高齢男性が気軽に集える場となるように
天王寺区の聖和地域では、令和5年8月12日に今年度2回目の男性を対象としたサロン「昭和男のロマン喫茶」が開催されました。サロンは午後2時から4時まで実施され、地区社協の東浦孝次(ひがしうら たかじ)会長・連合振興町会の堀出悟生(ほりで さといき)会長・地域活動協議会の原田照久(はらだ てるひさ)会長をはじめとした、地域住民である男性スタッフが淹れたコーヒーや、サロン活動では提供されることが珍しい缶ビールを飲みながら地域の男性が集い、懐かしい歌を歌って思い出話にも話を咲かせ、盛りあがりました。

▲受付やウェイターを男性スタッフで分担

きっかけは地域別ケア会議で課題にあがったことから
この取組みは、令和元年度に聖和地域別ケア会議の定例会(地域包括支援センターが主催し、住民、専門職や行政が一緒になって地域課題を検討する会議)のなかで「高齢男性の孤立や閉じこもり」が話題にあがり、その対策として「地域のふれあい喫茶に参加していない男性が参加できるような集まりができたらいいのではないか」「男性がスタッフの方が参加しやすい男性もいるかもしれない」と話題に出たことがきっかけでした。

令和元年9月に実行委員会を立ち上げ、男性高齢者の孤立や閉じこもりを防ぐ取組みとして、コーヒーやビールなどを飲みながら男性同士気兼ねなく語り合える場づくりに向けて話し合いを重ねました。

そして、令和元年11月にプレオープンとして、日頃からふれあい喫茶を運営している女性スタッフの協力を得ながら開催しました。40人以上の参加があり、男性コーラスもゲストに加えて参加した方々と合唱し、大盛況でした。

▲プレオープン時の様子

機運が高まっていたなかでのコロナ禍の影響
プレオープンの経験をふまえ、開催に向けて準備を着々とすすめていましたが、コロナ禍の影響を受け、活動の中止を余儀なくされました。約3年間の休止を経て、感染症の5類移行に伴い、コロナ禍でつながりが減っている今だからこその取組みが必要なのではないかとなり、会議を重ね、今年5年目に第1回目を開催したところ、大変盛況で、8月にも第2回目を実施することとなりました。

第2回目を開催して、代表の堀出会長は「今回(2回目)は夏で気温がかなり高かったことやお盆が重なっていたこともあったのか、5月開催時に比べて参加者が少なかった。それでも参加した皆さんと一緒に歌を歌って楽しいひと時を過ごせたので、実施した甲斐があった。前回も、今回も参加した方から好評だったので、今後は3か月に1回程度開催を継続できるよう取り組んでいきたい。まだつながりがなく孤立・閉じこもり状態の男性高齢者にも参加いただけるよう、引き続き呼びかけ、この活動を知ってもらえるよう働きかけたい」と話しました。

▲聖和地域に住む男性の皆さん!気軽にご参加ください! (一番右:堀出会長)

「昭和男のロマン喫茶」に携わった区社協の野田美津子地域包括支援担当係長は、「閉じこもりがちな男性高齢者にふれあい喫茶を紹介しても女性ばかりで居心地が悪い、話し相手がいない、といった理由でなかなか参加につながらないといった課題を抱えていました。昭和男のロマン喫茶は、そうした課題に地域のみなさんが向き合い生まれました。この大切な社交の場を必要な方に届けられるよう、また、同じような課題を抱える他の地域へもこのような取組みを広げていきたいです」と話しました。
お問合せ:大阪市天王寺区社会福祉協議会

大阪市では地域福祉活動が展開されており、各区でさまざまな方を対象とした居場所活動や集いの場が実施されています。自分の区ではどのような活動がされているかは各区社協HP等でぜひご確認ください。

※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和5年9月号掲載記事に基づき加筆修正しています。