2020.11.24

【天王寺区】昭和“男”の体操教室 ~「健康に役立つ」取組みで閉じこもりを防ぐ~


※本記事は大阪市社会福祉協議会ホームページの過去の掲載記事を転載しています。情報は記事掲載時点のものであること、また、リンク設定が一部無効となっている場合があることをご了承ください。

▲イッチ、ニー、サン、シッ、元気な男たちの声

2つの思いがつながり体操教室がスタート
昨年12月より、毎月第1・3火曜日、天王寺区老人福祉センターで、60歳以上の男性を対象にした「昭和“男” の体操教室」が開かれています。昨年7月、区社協が実施する生活支援体制整備事業の「男のセカンドライフを考える会」(当事者で高齢男性の社会参加を考える会)の活動から生まれました。

同会のリーダーをつとめる松本昌廣さんは「閉じこもりがちな男性に外に出てもらうためには、健康に役立ち、メリットがあるものがいい」と考えていました。その頃、現在体操教室を指導する文野勝利さんは、天王寺区理学療法士会を立ち上げたことをきっかけに、理学療法士として地域に貢献したいと区社協を訪れていました。「男のセカンドライフを考える会」と理学療法士会がつながって、体操教室がスタートしました。

▲リーダーの松本さん(左)を中心にサークルを自主運営

男性は、女性と比べ身体が硬くなりがちです。リタイア後は、身体を動かす機会が少なくなります。文野さんはそうした男性のために、柔軟性を保つストレッチを中心にプログラムを用意しました。

文野さんは「生活習慣になる体操」をめざし、自宅でもできるように体操のガイドブックを作成・配付しました。第1火曜日開催時に、文野さんの体操指導の様子を撮影し、第3火曜日にはその動画を見ながら、参加者のみで主体的に活動しています。

自宅で体操をしている人も増えているためか、「足首の痛みがなくなった」「こむら返りがなくなった」など効果があらわれています。この日も、体操終了後「背が高くなったみたいや~」、そんな言葉が自然に出ていました。しっかりと効果が出ている点が、この体操教室の魅力であり、参加者の定着につながっています。


地域全体に広がることを目指して
「将来的に、体操活動を中心に大きなサークルとして育ってくれたらと願っています」と松本さん。文野さんの指導に惚れ込み、ジムやラジオ体操の場所でもチラシ配りに熱心です。

新型コロナウイルスの感染防止のため、体操教室は3か月間、休止することとなりました。その間、区社協が体操教室参加者を対象に実施したアンケートに、「コロナがおさまったら体操教室を再開してほしい。再開の連絡を待っている」という声もあったため、場所を広い部屋に変更し密を避け、6月末に体操教室を再開しました。

この日は、男性の居場所づくりPRのために出演する、「オンライン区民まつり」のビデオ撮影も実施されました。区社協・生活支援コーディネーターの西野泰加さんは、「話し合いを重ね、ひとつのものを作り上げることで、仲間意識が深まることを期待しています。体操教室のメンバーが天王寺区の男性の見本となり、区内で活躍する男性が増えると嬉しいです」と話しました。

▲区民まつりの動画ビデオでは生活支援コーディネーターの西野さんが事業説明(右下)


本記事は、「大阪の社会福祉」第786号(令和2年11月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)