2025.07.03
見守り活動は私とあなたの安心づくり
これまでと これからの見守り活動を考える |
住吉区社協は令和7年2月10日、住吉区民センター小ホールで、「地域における見守り活動学習会」を開催しました。この学習会は、地域における要援護者の見守りネットワーク強化事業開始から10年が経過するなか、地域の見守り活動者をはじめ、民生委員・児童委員、福祉の専門職、警察、消防、郵便局など見守り活動の協力者等が集まり、より良い活動を展開していく契機となるよう、地域見守り相談室が企画したものです。 |
私とあなたがつながる見守り活動 |
はじめに区社協の矢野麻衣子見守り相談室管理者から見守り相談室の具体的な取組み、相談が増えていることなどを報告しました。 |
次に、「見守り活動は、私とあなたの安心づくり」をテーマに、大阪市ボランティア・市民活動センターの上野谷加代子所長が講演し、「ボランティア活動は誰が誰とどこで何をするか、私が、あなたがという主語が大切」「話が膨らむ一言、一手間を加える工夫でつながり方が深まる」と見守り活動の大切さなどについて語りました。 |
上野谷所長は、「生まれてから死ぬまで、社会的・経済的・環境的などのさまざまな要因からたくさんの課題が出てきます。地域コミュニティのあり方も変わってきているなか、問題解決に向けてどのようにプロセスをふんでいくかが重要であり、いろいろな専門職とも連携して、みんなで見守り合うことが大切です」と話しました。 |
![]() ▲講師の上野谷所長 |
実践を共有して、これからの活動に活かす |
講演後は、パネルディスカッションをおこない、上野谷所長がコーディネーターを務め、東粉浜、遠里小野、住吉、 苅田、墨江の5地域で見守り活動をしている計7人が登壇し、活動上の悩み、大切にしていることなどを共有しました。 |
ディスカッションでは、「2、3日前に見守り訪問して会った方が自宅で亡くなっていたことがありました。これから一人暮らしの人が増え、孤独死も増えるかと思っています。SOSを出してもらうためには、どのような声かけが必要か、日頃から考えながら、活動しています」「『この活動がこの日にあるよ』だけの声かけだけでなく、『待っているから来てね』までを伝えています。1対1では話してくれるが、大勢のなかでは話すことが難しい方もいるので、接し方について悩む時があります」「活動し始めて10年経ちますが、地域で使っている台帳など昔のままで変えられていないものがあり、いろいろと更新が必要ではないかと思っています。また、高齢者だからスマホを使ったコードの読み取りはできないものだと思い込んでいましたが、スマホ相談会などで操作を学んでいるからか、スムーズにできる人もおり、活用していきたいと思います」等の意見がありました。
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立場の違いを越えて語り合う場を |
各地域の活動者からの発表を受けて、上野谷所長は、「どの地域の方々もかなり高度な活動をされていて頭が下がる」と労ったうえで、「『どのような声かけや接し方が必要か』という悩みが出ていましたが、相手の気持ちに寄り添い、こちらも心を開いて自分からアプローチし、待つということも大切です。急かさないことで心を開いてくれることもあります」と伝えました。 |
続けて、上野谷所長は、「事例学習等を通じて、地域のみなさんと専門職とが一緒に学び合うのも有効です。皆さんから専門職ではわからない生活者視点からの声をどんどん伝えてください」とメッセージを送りました。
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学習会を終えて、見守り活動の新たな契機に |
講演会終了後、矢野管理者は、「住吉区では災害時も含めて、地域での見守り活動を支える仕組みとして、地域見守り支援システムの構築が進められ10年が経過しています。今回は上野谷先生にいろいろと示唆をいただきながら、地域の活動者を中心に、さまざまな方々と見守り活動のこれまでとこれからを考える機会となりました。また、学習会で感じ取れた活動へのヒントから、地域の方々、専門職や関係者、行政や社協が“一緒”に歩む契機となりました」と話しました。 |
![]() ▲パネルディスカッションで登壇した方々(前列左から水口敬子さん、上野谷加代子所長、山野一子さん。後列左から2番目から山田和成さん、庄見伊津子さん、奥埜晧子さん、池村康子さん、吉田久美子さん)と区社協職員 後列一番右の松尾事務局長と後列一番左の井西地域支援担当係長
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※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和7年3月号掲載記事に基づき作成しています。 |
お問い合せ:大阪市住吉区社会福祉協議会 |