2020.11.24

【住吉区】「しあわせのチューリップデー」特別企画 LGBTへの理解を深め、誰もが輝ける世界に


※本記事は大阪市社会福祉協議会ホームページの過去の掲載記事を転載しています。情報は記事掲載時点のものであること、また、リンク設定が一部無効となっている場合があることをご了承ください。

▲一般社団法人LGB.Tの叶ともみさん(左)と長崎アンナさん(右)

チューリップデーとは、童謡「チューリップ」の一節にあるように、性別、世代、国籍を超えて誰もが輝ける日として命名されたイベント。ダンスや音楽など盛りだくさんの内容で、今年4月4日に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で来年まで延期になりました。

今回はプレイベントとして、9月26日、住吉区民センター大ホールで「しあわせのチューリップデー」特別企画が開催されました。内容は、LGBT(性的少数者)のことを理解する講演とトークイベント。感染症対策として、十分な間隔を空けて席が設けられました。

まずは、同イベントを主催する一般社団法人LGB.Tの代表、長崎アンナ(麻倉ケイト)さんが登場し、地元に密着した話題で会場を盛り上げました。その後、住吉区社協の北原隆副会長が「一人ひとりがお互いの違いを個性と受けとめ、認め合うためにできることは何かを考え、このイベントを通して、LGBTの方々への理解がより一層深まることを期待します」と挨拶しました。

次に、性同一性障害であるとの診断をきっかけに女性として生きることを決心し、現在はボランティアで啓発活動をおこなっている山﨑あおいさんが登壇しました。ある企業の調査では13人に1人がLGBTとされており、特別な存在ではないと強調。一人の人間として接してほしい、見守ってほしいと訴えました。

そして、長崎アンナさんによるトークショーが始まります。幼い頃から体は男性、心は女性という「性別違和」に悩んでいたアンナさんは、「男の子だから◯◯しなさい」といった決めつけで苦しんだといいます。音楽学校を経営し、現在のLGB.Tの専務理事でもある叶ともみさんと出会って以降、歌やダンスに打ち込み、男性歌手として成功をおさめるも、本当の自分を伝えられない苦しさからひきこもり状態に。「嫌われるのが怖くて、親しい人にも話せないのが一番苦しかった」と話すアンナさん。しかし、接する相手も一人の人間であることに気づいて心が軽くなり、世間にもカミングアウト。現在は、女優・歌手・モデルのほか、矯正下着のプロデューサーや映画監督として活躍しています。「身近に暮らしているということをまずは知っていただきたい」と叶さんは話し、「理解はできなくても否定だけはしないでほしい」とアンナさんは思いを語った。みんなで理解を深める機会となり、来年のイベントがますます楽しみになる特別企画となりました。


本記事は、「大阪の社会福祉」第786号(令和2年11月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)