2024.10.16

西成区社協 職員研修 災害時における社協の役割について

災害時における社協の役割を果たすため、区社協全職員を対象とした研修を実施
 西成区社協は、8月19日~21日の間、各回1時間30分の職員研修を計5回開催しました。本記事では、8月21日の10時30分~正午に取材した内容を掲載します。講師には、令和5年度から西成区社協の災害福祉支援アドバイザーとして就任しているオフィス園崎の園崎秀治氏を招き、災害時における社協の役割をテーマに実施されました。

▲職員研修の様子

 西成区社協では、各部門から選出した職員で災害対策委員会を設置しています。その検討会において、災害時に、区社協総体で事業継続及び災害ボランティアセンター運営をおこなうためには、研修や訓練等で全職員が共通認識を持ち、平時から課題を抽出することで、区社協全体で災害支援体制を整備するサイクルが必要と考え、毎年研修を実施しています。
受援力と社協の強み
 まず園崎さんは、日本の災害時の支え合い・ボランティア活動定着までの歴史や被災するということ、大規模災害発生後は何がどのように変わるかを説明し、災害ボランティア活動をはじめとする外部支援の意義について話しました。外部支援の意義としては、「外部支援の力を活かす地域の『受援力』(災害時に外からの支援を地域で受け入れる環境や知恵など)を高めることで、地元だけでは充足できないマンパワーを復旧・復興に提供でき、制度では行き届かない被災者に寄り添った支援を実現できるなど、外部者だからこそできる支援を受けることで、被災地の復興を早めることにつながります」と語りました。
 そして、災害時の社協の役割として、園崎さんは、「特定の福祉問題の解決だけを目的にしていないことや住民との協働を重視し、公私の機関・団体との協働で事業をすすめる、ボランティア活動を推進するなど社協の強みが被災者支援においても活かされています。社協は平時から地域を基礎に活動を展開して地域住民の方と関わり、地元の方々を知っていることや全国的なネットワークを有する組織であるため、災害ボランティアセンターでボランティアを適切につなぐことができるのはやはり社協だと思います。そのため、社協の役割を平時から発信し、多くの方に知っていただく必要があります」と伝えました。

▲オフィス園崎の園崎秀治氏

 

 講義後は、グループワークをおこない、各グループで講義を聞いて印象に残ったこと、備えておくべきことは何かなどについて、話し合いました。
 最後に西成区社協の橋口地域支援担当主事から、「西成区社会福祉協議会の災害対策について」として、現在の備蓄品や災害時の職員が取るべき行動の手順、西成区社協総体での事業継続・災害支援のポイント等を共有しました。

▲グループワークで講義の感想とこれから備えることについて検討

 

共通認識を広げ、実際の災害時に対応できるように
 研修を終えて、今後に向けて、区社協の橋口風伍地域支援担当主事は、「実際の災害時に各部門や職員がどのように業務をおこなうのかについて検討し、各職員に理解を促し、共通認識をさらに広げていきます。また、災害時には地域活動団体、近隣区、外部支援者等との連携が必要となるため、平時から連携できるよう、西成区社協の取組みを発信しつつ、関係団体と合同訓練や協働した取組みを実施していきます」と話しました。

▲橋口地域支援担当主事からまとめと今後について話しました