• 10人や国の不平等をなくそう

2021.04.08

心のバリアフリーを広げる 西成区 ~玉出中学校福祉体験学習会~

2月18日、西成区社協は、西成障害者会館、玉出地域包括支援センター、老人福祉センターと連携して、玉出中学校で福祉体験学習会を実施しました。地域支援担当の修田翔さんは、「福祉教育の推進は、社協の重点的な取組みのひとつ。より充実したプログラムを創るために、他機関や専門職とも協力して進めたい」と福祉に関する学びの機会を広げることへの意欲を語しました。

福祉体験学習会には、同中学の1年生(1~3組)、126人が参加。「車いす介助体験」「車いすボッチャ体験」「アイマスク手引き体験」がそれぞれ体育館、格技室、校舎内でおこなわれ、クラスごとに3会場を巡回して体験していきました。事前学習をおこなっていましたが、3つの体験は実際に多くの生徒にとって初めてのことで、どの会場も、驚きの声が響いていました。

笑顔で分かりやすくレクチャーする由浅さん

アイマスク手引き体験では、まず、地域支援担当として経験豊かな長谷川安伸さんがはじめにレクチャー。クイズを用い一瞬にして生徒の関心をひきつけます。次のクラスでは、長谷川さんの指導を受けた、地域支援担当としてまだ経験の浅い由浅悠さんが担当。「アイマスクをして怖がる体験ではなく、不自由な人を手引きする体験」と意図をしっかり確認し、終了後は「今日、感じたことを忘れないで。身近なところに目を向け、自分でできることを考えるきっかけにしてほしい」と心からの思いを伝えました。

“声かけ”の大切さをしっかりと伝えました

体験終了後の振り返りでは、生徒の率直な感想とともに、普段車いすを利用している生徒からは、「友だちの助けがうれしい」とのメッセージが伝えられました。司会を務めた修田さんは「困ったときに助け合える、みんなの関係性が『心のバリアフリー』になる」と締め括りました。

今回は、こうした西成区の姿勢やノウハウを学ぶため、学校での福祉教育に関する経験の少ない住之江区社協の若手職員2名が、見学・応援に駆けつけました。同区社協の地域支援担当・岡本陽子さんは「『障がいは不自由』ではなく『どうしたら不自由さをなくせるか』を、年齢に応じて伝えることが大切。難しいが、挑戦してみたい」。同・谷口文香さんは「やることはたくさんある。まずは、福祉教育のプログラム一覧を作成し、周知することから始めます」と二人とも取組みに刺激を受けたようです。

身近なところからそれぞれの立場や心情を思いやり、互いに支えあう喜びが、若い力を通して広がっていくことに期待します。


本記事は、「大阪の社会福祉」第790号(令和3年3月発行)の掲載記事をもとに作成しています。
(担当:地域福祉課)