2020.11.24

【都島区】地域の思いから立ち上げた 「中野見守りネットワーク」


※本記事は大阪市社会福祉協議会ホームページの過去の掲載記事を転載しています。情報は記事掲載時点のものであること、また、リンク設定が一部無効となっている場合があることをご了承ください。

 

▲みんなの思いがつまったロゴ

孤立死をなくすためにみんなで考える

都島区中野地域では、平成30年4月に地域内で死後数カ月発見されなかった孤立死の事案がありました。これを重く受け止め、「孤立死をなくしていくために、町会もマンションも一緒にみんなで地域のことを考えていこう!」と役員が中心となり都島区社協見守り相談室とともに見守り座談会や連絡会を積み重ねてきました。

「これまでの輪番制の組織では限界がある。見守り活動を継続できる新たな組織が必要」と中野地域社協・前会長の吉田昭男さん。自身の活動経験も生かし、令和2年3月に「中野見守りネットワーク」を立ち上げました。


こんな時だからこそ話し合う場を

しかし、その頃から新型コロナウイルスが猛威を振るい、緊急事態宣言等、活動がなかなか進みにくい状況に。地域内の役員改選等で協力してくれていた町会長もほとんど変わり、半年近くの月日が流れました。

「こんな時だからこそ話し合う機会を作っていかなければ!せっかく、この活動を理解し協力してくれる人たちの思いを無駄にしたくない!」

8月28日(金) 夜7時、都島区民ホールに46人が集います。コロナ禍ではあるが地域での関心の高さが伺えました。

中野地域社協の吉岡利和会長は「2025年問題を地域として乗り切っていくには、私たち自身が取り組む見守り活動が重要なカギとも言えます。皆さんと一緒にこの活動を積極的にすすめていきましょう」と挨拶。第一部は、見守り相談室からスライドを投影して、これまでの活動の振り返りと見守り事業の説明。第二部は、各町会(10町会)5人程度に分かれて、地図を広げて要援護者の情報をもとに地図に印をつけました。区地域包括支援センターの職員・地域支援担当の職員等も各々グループに入り、気になる方の情報共有を中心に話し合いをおこないました。密な状況を避けるため、ホールの他、会議室にも分かれました。

▲各班に分かれ気になる方を中心に情報を共有しマッピング


地域の思いを区社協一丸となってサポート

話し合いの中では、「引きこもりがちな息子さんがいる」「見守り相談室からの名簿にはないけれど、気になる人は名簿に載せて見守っていってはどうか」「亡くなった方の相方さんが心配」等の声が聞かれます。

最後に、区社協の職員が各グループのまとめを発表し、8時半に連絡会は終了となりました。

区社協・見守り相談室の川原佳代主査は、「中野地域の役員の方々は、孤立死を自分ごとととらえ、話し合いを続けてこられています。忙しい方が多い中、見守り活動についてだけ話し合う時間を丁寧に確保し、実践する。この地道な努力が、地域の新しい組織の結成につながってこられたと感じます。これからも区社協が一丸となってサポートしていきたい」と語りました。

▲密にならずに集合写真


本記事は、「大阪の社会福祉」第785号(令和2年10月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)