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2024.04.04

「ほっとかれへん」をみんなで考えよう(東住吉区)

 東住吉区社協は、事例学習会「『ほっとかれへん』をみんなで考えよう~気づこう・つなごう・話し合おう~」を12月22日に東住吉区民ホールで開催しました。
 この取組みは、区社協で個別支援に関わる部署が中心となって企画し、地域福祉活動者、地域福祉サポーター(区独自事業として区内14地域に配置)、福祉専門職や行政職員など61人が参加しました。
「気づこう・つなごう・話し合おう」をみんなで実践
 事例学習に先立ち、講師・助言者を務めた佛教大学講師の金田喜弘よしひろ先生は、「専門職には困っている人の声を拾いあげて支援する役割がありますが、地域のなかでちょっとした変化に気づくことができるのは生活者である住民だけです」と、個別支援に住民が関わる意義や、専門職と協働することの大切さを伝えました。

▲佛教大学講師の金田先生

 その後、実際に区内で対応した一つの個別支援事例を深めました。まずは区社協の見守り相談室管理者と生活困窮者自立相談支援窓口の主任相談支援員が写真も交えながら事例概要をリアルに伝えました。
 続いて住民・専門職混合のグループで、報告された事例の「いいとこさがし」として、登場人物(Aさん本人・住民・専門職など)のステキだと思った言動を模造紙に貼り出して可視化しました。さらに「もしかしたらこんなことができるかも」というひらめきを出し合いました。

▲グループワーク後の全体発表

地域と専門職の連携で途切れない支援を
 グループからの全体発表の後、実際にAさんの支援に関わった人たちが会場前方に並び、支援をふりかえってコメントしました。「実はAさんは先日亡くなられました。亡くなる前日にも歩いている姿を見かけ、その日もすぐに発見できたので、私たちとしては、決して孤立死ではなかったと思っています。Aさんは直前まで、Aさんらしいふだんの暮らしを送られていたと思います」「支援者だけの思いで走ってしまいそうなところを立ち止まって‟Aさんにとってどうなのか”を考えてきました。多くの人の情報を重ね合わせることで、Aさん像が立体的に見え、いい距離感を保って、それでいて途切れないようにと確認して関わってきました」といった言葉が伝えられました。
 事例学習会を終えて、見守り相談室管理者は「それぞれの立場から自分たちに何ができるかと活発な意見交換があり、地域の方や専門職の横のつながりづくりの機会になりました」とふりかえりました。
 また、生活困窮者自立相談支援窓口の主任相談支援員は「それぞれが少し枠をはみ出して支援の輪を広げていくことの大切さを感じていただけたと思います。地域、専門職がより一層力を合わせていけるよう、今後も区社協としてできることを考え、取り組んでいきたいです」と話しました。
この記事は「大阪の社会福祉」2月号の記事をもとに掲載しています。