2025.10.22

ふらっと立ち寄れ、❝何かあればここに行こう❞と思える居場所 ~ cafe dé ひまわり ~

 「cafe dé ひまわり」は、毎月第3水曜日午前11時~午後1時まで、港区社協1階のボランティア・市民活動センターフリースペース「fukuふく cafeかふぇ」で開催しています。
 今回は、令和7年6月18日に訪問した時の様子や活動者の古島こじま智枝子さん、川添かわぞえ美雪さんにインタビューした内容を紹介します。

▲cafe dé ひまわり活動者の方々(古島さん:前列左から2番目、川添さん:前列右から3番目)

 

社協と活動者の思いが一致し、立上げ
 取材当日は、地域に住む常連の方、区社協から情報提供された方、区社協へ相談に来た際にこの活動を知った方、デイサービスを利用する方など30人近くの参加がありました。
 また、カフェだけではなく、港第二育成園による手作り焼き菓子の販売やギターが得意な参加者による「懐かしの歌謡曲」の演奏などもおこなわれ、曲のリクエストや、曲に合わせて手拍子などで盛りあがる場面もありました。偶数月での開催は、「おやじカフェ」として男性ボランティアも運営に関わるなど、さまざまな方々と連携して開催しています。

▲参加者による「懐かしの歌謡曲」のギター演奏があり、会場のボルテージがあがりました

 

 この取組みは、約9年前(平成30年頃)に当時のボランティアセンター運営委員が中心となり、活動をスタートしました。現在も中心となって活動している古島さんと川添さんの「人が気軽に集い、つながりをつくることができる場をつくりたい」という思いと、「もっと地域に開かれた社協をめざしたい」という区社協の思いが重なったことで、立上げに至りました。区社協は、古島さんや川添さんの「こんな場所にしたい」という胸中を丁寧に汲み取りながら、空間づくりや広報活動などの協力を続け、地域に開かれた現在のカタチが育まれています。
気軽に集い、つながりをつくることができる居場所にしたい
 活動者の川添さんは、「区社協に来た方が帰り際に、ふらっとカフェに立ち寄ってくださり、その後も継続的にカフェを利用していただけることがあります。また、『最近こんなことで悩んでいるねん・・・』と利用している方の声を社協職員へつなぎ、相談に応じ、解決につながったこともありました。ただ、いろいろと聞き過ぎると、この場所に参加したら何か聞かれる・話さないといけないとならないように、ゆるく関わり続けることも大切にしています。互いに近くで支えあっている安心感が、活動のモチベーションになっています」と語りました。
 そして、「中心となって活動している私たちにとっても、ここで集まってゆっくり語れる‟居場所”であり、とにかく楽しんで取り組めることも、活動を長く継続できている理由の一つです」と言葉を続けました。

▲カフェに参加した方々で近況報告などの雑談をして過ごしました

 

つながりのさらなる広がりをめざして
 活動が始まってから約9年。コロナ禍を乗り越え、「cafe dé ひまわり」は現在に至るまで毎月開催しています。活動者の古島さんは、「長く家族以外との関わりがなかった方が、このカフェを通じて人とのつながりを取り戻し、社会復帰を果たしたこともありました。‟人が気軽に集い、つながりをつくることができる場をつくりたい”という思いから始まった活動なので、それが形になっていることがとてもうれしいです」と語りました。
 また、今後の展望については、「現在は、利用者のほとんどが高齢者ですが、今後は不登校のこどもも参加できるなど、より幅広い方が気軽に立ち寄れるようにしていきたいと考えています。また、人と人とがつながるあたたかい居場所として、継続して運営していけるよう、バトンタッチができる後継者も探さないといけません。これからも‟何かあった時はここに行こう”と思ってもらえるような居場所であり続けられるよう、尽力していきたいと思います」と力強く言葉を続けました。
 区社協の小巻こまきひなた地域支援担当主事は、「『cafe dé ひまわり』は、カフェに参加している方だけではなく、活動に関わる方々にとっても、心あたたまる居場所となっています。一方で、社協の存在を知らない方や知っていても訪れたことがない方にとっては、ここが新たな出会いやつながりの入口となっています。今後も活動者の方々と幅広い世代が集える居場所をめざして、『また来たい』『何かあった時はここに行こう』と思ってもらえる居場所を一緒につくっていきたいです」と話しました。

▲区社協職員も参加しているため、相談できる場にもなっています

 

※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和7年9月号掲載記事に基づき作成しています。
お問い合せ:大阪市港区社会福祉協議会