2025.07.09
地域住民の声がきっかけとなり、地域・施設・社協が協力して活動 ~ あさひあったかお買い物ツアー ~
旭区社協は、5月29日にベルファ都島ショッピングセンター(以下、ベルファ)を行き先として、一人で買い物に行くことが難しい高齢者を対象に、「あさひあったかお買い物ツアー」を実施しました。 |
このツアーでは、大宮連合新興町会や旭区社会福祉施設連絡会(以下、施設連)に協力いただき、大宮地域から5人の参加があり、高齢者のお買い物をサポートする「お買い物ボランティア」を設けました。当日は、いろいろな売り場を回りながら、ボランティアから「探していた商品はこっちにありますよ」と声をかけてもらい、会話を楽しみながら、欲しかったものを購入している様子が見られました。 |
![]() ▲何を買いたいか話しながらショッピング(一番右:蒲女性部長)
|
地域住民の声がきっかけとなり、活動開始 |
この取組みは、大宮5丁目に住む方から、「近くにスーパーが少なく、衣料品などを購入することができるお店もなく、大きな幹線道路に分断されているため、どこかへ出かけるにしても不便で困っている」との声があがったことがきっかけとなりました。この課題を施設連で検討したところ、施設連を代表して 高殿苑(高齢者福祉施設)が送迎の協力をしていただけることとなり、令和元年度からこの地域を対象として活動が始まりました。 |
初回の実施以降は、コロナ禍の影響もあり中断していましたが、令和4年12月には新たに、大宮連合振興町会や女性部の協力を得て、区内の商店街でおこない、再開へとつなげることができました。 |
しかし、商店街で実施したところ、自由に使用できるトイレや休憩スペースがなく、また、行きたいお店まで距離があったりなど、いくつかの課題があがりました。 |
これらの課題を受け、大宮地域の活動(ふれあい喫茶や百歳体操等)に参加している方、町会に加入している方へ、買い物に対して不便を感じているかどうかのアンケート調査をおこないました。アンケートでは、お買い物ツアーの紹介もおこない、参加を希望するか、実施してほしい時期や場所なども聞き取りました。 |
![]() ▲施設職員のサポートにより車に乗り込む参加者
|
地域の課題を解決する手立てをともに考える |
アンケートの結果では、参加を希望される声や将来的に一人で買い物することを不安に思われている方が多く、実施場所も食品から衣料品まで購入できるベルファを希望する声が多く寄せられました。 |
アンケートの結果を受けて、運営メンバー(地域役員や区社協職員、高殿苑の職員など)で話し合うなかで、高殿苑の職員から「地域の会館を集合場所にするのではなく、会館が遠い方もいると思うからご自宅付近まで迎えに行くのはどうか」と提案がありました。また、より多くの方に参加してもらえるように対象者を拡大したりなど、みんなで協力し、令和6年11月に再スタートしました。 |
一人では大変なお買い物もみんなとなら楽しめる |
お買い物ツアーをサポートしていただくボランティアは、主にお買い物付き添いボランティア講座を受講した方で、開催前には事前に集まり、活動趣旨や活動上の留意点、お買い物ボランティアの基本なども説明し、ボランティアのみなさんと区社協近隣のスーパーへ実際に行く研修もおこなうなど、入念に準備しました。 |
今回参加していたボランティアの方からは、「参加者自身がほしいものはリストアップしていましたが、どの商品にするか悩まれていることもあったので、そこをサポートできてよかったです」「参加者に喜んでいただけたので、よかったです。参加者の方とお話もできて、自分自身も楽しかったです」と話していました。 |
参加者からは、「昔はよくここにも買い物に来ていたけど、最近は来れてなかったので、久しぶりに来ることができてよかったです」「みんなと話しながら買い物していると、あっという間に2時間が経過しました」「なかなか一人では来れないところなので、買いたいものをすべて買うことができて満足しました。みなさんと買い物できて幸せでした」などの感想がありました。 |
![]() |
施設・地域団体とともに地域の輪を広げる |
この取組みは、区社協と地域団体、施設連に加盟する社会福祉施設の協力をもとに成り立っている活動でもあります。実施する区社協だけで構想し企画するのではなく、実施前には打合せをおこない、活動後の反省会を経て、毎回ブラッシュアップしています。 |
施設連を代表して協力している高殿苑の職員からは、「施設職員として、何か地域のみなさまのお役に立ちたいとの思いはあるものの、なかなか関わる機会が少ないなか、このお買い物ツアー活動は地域の方々と直接ふれ合うことができる機会であり、非常に素敵で有意義な取組みだと思っています」と意見がありました。 |
続けて、「この活動をより多くの地域のみなさまに知っていただき、この活動を必要としている方が一人でも多く参加でき、お買い物を通じてハッピーになってほしいです。普段は施設の利用者との関わりが中心なので、このように地域の方と関わる機会があることで、地域のなかでどのような困りごとがあるのかを知る機会にもなり、我々も勉強になっています」とも高殿苑の職員の方は話しました。 |
協力している地域団体のなかで中心となって活動している大宮連合 蒲 眞佐子女性部長は、「参加者からの感謝の言葉がすごい励みになっています。高殿苑には当初から協力いただいていますが、高殿苑からの提案で参加者の自宅付近まで迎えに行っていただいており、とてもありがたく感じています。このお買い物ツアーを継続しつつ、現在は大宮町会内の方を対象とした取組みではありますが、まだまだ地域には困っている方がいると思いますので、他の地域にも取組みの輪が広がり、旭区全体に広がってほしいと考えています」と話しました。 |
地域のなかで定着した活動をめざして |
取組み終了後、区社協の森山彩夏第1層生活支援コーディネーターは、「この取組みは現在施設連を代表して、高殿苑や地域団体に協力いただきながら、区社協が主となり実施をしています。今後は、地域のなかで定着した活動となり、開催回数の増加、定期的な活動へとつなげていきたいと考えています。地域団体や協力施設とも、より密接に連携しながら、お買い物付き添いボランティアや担い手についても検討し、取り組んでいきたいです」と話しました。
|
![]()
|
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和7年7月号掲載記事に基づき作成しています。 |
お問い合せ:大阪市旭区社会福祉協議会 |