2025.04.18
<此花区>このはな ふれあい講演会 大人とこどもの発達障がい・発達凸凹を知ろう~特性を個性へ~
地域における見守り活動の活性化を図る |
此花区社協は、2月25日(火)午前10時30分~午後0時に、此花区民一休ホールを会場に「このはなふれあい講演会」を開催しました。この取組みは、地域における見守り活動の活性化を目的に例年開催しており、今回は発達障がいへの理解を深めるため、「大人とこどもの発達障がい・発達凸凹を知ろう~特性を個性へ~」をテーマに企画しました。 |
講演会では、NPО法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)代表の広野ゆいさんを招き、発達障がいについてや大人とこどもでは何が違うのか、どのようなサポートができるのか等を考える機会となりました。 |
![]() ▲広野さんから自身のエピソードも交えて講演があり、発達障がいについて学びました |
特性を理解し、関わり方を学ぶ |
広野さんは、20代後半で発達障がいと診断され、30代後半の時に「発達障害をもつ大人の会(現NPO法人DDAC)」を立上げました。講演会では、まず発達障がいの基礎知識として、「注意欠如・多動症(ADHD)」「自閉スペクトラム症(ASD)」「学習症(LD)」の3つの特性についての説明があり、聴覚過敏・視覚優位等の感覚の違い、外見だけではわかりにくい理解のポイントなどを学びました。広野さんは、「本人が気づいていないケースが多く、自分自身が実は凸凹と気づかずに人生を終える方もいます。ただ、障がいは症状であり、その人の一部であり、障がい=その人ではありません。研究ではすごく強みを発揮したりと、できないことばかりではないため、先入観なくその人をまずは知っていただき、能力を発揮できるよう考えてほしいです」と話しました。 |
続けて広野さんは、「特性に合った支援や理解を得られず、社会生活がより難しくなっている方もいる現状があります。本日参加している皆さんも関わることがあるかと思いますので、役割や何をするのか具体的に説明するなどの関わり方を学んでいただき、活動に活かしてほしいと思います。また、コミュニケーションを取りながら、当事者と一緒に考えていく必要もあります」と伝えました。
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![]() ▲発達障がいの理解のポイントや関わり方について説明
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関わり方について学んだ後、セルフ・ヘルプ・グループ(SHG)について広野さんから説明がありました。「SHGの大人の発達障がいへの効果としては、同じ特性を持つ仲間との関わりで得られるものとして、気持ちがわかちあえることによる孤独感からの解放やさまざまな情報及び経験の共有などがあります。助けられるだけだとしんどいため、仲間と出会え、助け合えることで居場所にもなります。成功だけでなく、失敗体験も共有でき、生活スキルなど知らなかったこともいろいろと知れ、回復と自立を支える場です」と語りました。
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セルフ・ヘルプ・グループ(SHG)とは
セルフヘルプグループ(SHG)は、共通の生活課題や生きづらさをもつ人たちが自主的に集まり、主体的に活動しているグループです。自助グループ、当事者グループとも呼ばれています。病気や障害、その他のさまざまな困難や生きづらさを抱えて生きる当事者が、気持ちや情報、知識を分かち合い、自分らしい生き方をサポートしあう場です。
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最後に広野さんから、「発達障がいは誰もがなる可能性があります。でも、私は障がいがあることで出会うことができた人、全国にできた仲間、できた体験があります。また、障がいに詳しいため、ドクター向けに当事者として話すこともあります。この経験から今の自分でよかったと思えるようになっています。そのため、自分の力で自分らしい生き方を選択していき、今の自分でよかったと思える人が一人でも増えてほしいです」と参加した方々へメッセージを送りました。 |
![]() ▲「自分の力で自分らしい生き方を選択してほしい」と広野さんからメッセージが送られました |