2025.04.28
<取組みのぞき見>社会福祉施設の地域における公益的な取組みをご紹介4⃣
笑顔あふれるあたたかい居場所に |
社会福祉法人 優心会 は、「あふれる笑顔」を法人理念とし、平野区内で特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどを運営しています。同法人では、地域に開かれた施設をめざし、地域にお住まいの高齢者や障がい者、ひきこもり状態にある方、学習に悩みや課題を抱えるこどもなどの誰もが笑顔であふれてほしいという思いで、令和6年4月から毎月第1日曜日に「地域の居場所『こうのとりのタマゴ』」を実施しています。 |
「こうのとりのタマゴ」は、地域のなかで多様な課題を抱えている方々の生活が少しでも潤うように、笑顔であふれる居場所として立ち上げました。また、さまざまな場所でタマゴが産まれ、殻を破って羽ばたく方が増えていくことを願って、賛同いただいた支援団体や協力企業から提供のあった食材やお菓子などの配布、さまざまなワークショップ(折り鶴など)やイベントを通じて、参加者同士で交流しています。 |
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新年祝う「福まき大会」 |
令和7年1月10日には法人のイベントと合同開催で「福まき大会」がおこなわれました。 |
職員お手製のくす玉割りや書き初め、無病息災を祈る獅子舞の演舞といったお正月の催しが続き、「福まき」(福玉を景品と交換)が始まりました。施設の駐車場を会場に、施設利用者(入居者)も一緒になって参加し、福まき大会の後は受け取った福とともに温かいお汁粉を地域の方も堪能されていました。 |
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【取組みのポイント】 |
✔ 誰もが参加しやすいように対象者を限定しない |
✔ 参加者をお客様にせず、場の活用をみんなで考える |
✔ 法人単独ではなく地域の活動団体と連携して実施する |
✔ 施設利用者も一緒に参加して交流する |
社会福祉法人 優心会 特別養護老人ホームこうのとり(大阪市平野区長吉川辺3-2-3) |
【取材担当者のコメント】(福祉部:門脇) |
地域にある施設として開放感のある環境に |
今回取材した社会福祉法人優心会は高齢者施設を平野区内で平成25年から運営しており、特別養護老人ホーム・ショートステイ・デイサービスセンター などさまざまなサービスを提供している法人です。基本方針の一つとして「心から安心して過ごすことができるように、開放的な環境づくりに臨みます。」と掲げられており、地域との交流も図られてきました。 |
その一環として、地域の小学校の見守り活動を法人全体で取り組まれています。見守り活動を通して、地域のこどもとつながるきっかけともなり、高齢者施設がどのような場所なのかを知るきっかけともなっています。また、施設のある長原東地域の地域活動協議会の構成団体の一員として、さまざまな分野における地域課題の解決やまちづくりにも取り組まれています。 |
笑顔であふれる居場所に向けて |
地域の居場所「こうのとりのタマゴ」を始めようと考えた当時は、取り組みたい内容の幅が広く、何から始めようかという状況で、どのような場にしていくか疑問に思う職員や施設が地域に向けた居場所を実施することに不安を抱く職員もいたそうです。こどもや高齢者だけを対象とした居場所ではなく、こどもから高齢者、引きこもり状態にある方、障がい者といった地域に住まう誰もが「笑顔であふれる居場所」となることを目的として、デイサービスセンターのスペースを活用して、さまざまな思いを形にできる場として取り組まれています。 |
参加するこどもたちのなかにはお友達を連れて参加するこどもも多く、初めはどのような施設かわからなかったこどもも、参加者や職員と一緒に遊んだり、交流するなかで、新たなつながりが生まれています。ただ、すべてを施設・職員で行うのではなく、こどもたちにもお手伝いしてもらうなど参加する皆さんとどのような場にしたいか考えていくことを大切にしています。 |
施設長の北野さんは「閉鎖的な施設ではなく、地域に開かれた施設をめざし、自由に出入りできるような場所を目指していきたい」と話され、こどもたちのなかには、開催日以外に施設にやってきて宿題をする子もいるとか。「こうのとりのタマゴ」は施設を知る、施設と地域がつながるきっかけであり、つながりを通して、様々な取組みに発展する可能性も感じられました。 |
口コミや熱心な広報活動により、多くの方が参加されていますが、今後も地域住民と利用者がつながれるような取組みを企画したいという思いを伺いました。 |
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社会福祉法人優心会のHPはこちら |
「こうのとりのタマゴ」の開催報告や日々の取組みについて掲載しているブログはこちら |