2025.04.17
参加者にとっても活動者にとっても心の拠り所①
近年、約3年にわたる新型コロナウイルス感染症の影響もあって、「孤独・孤立」「生活困窮」など、地域住民が抱える課題が複雑化・複合化し、さまざまな背景をもつ方々の問題が一層顕著となりつつあります。そうした方々を見つけ、問題がより深刻となる前に、つながりをつくり支援をしていくこと、また、つながり続けることができる居場所づくりが求められています。 |
今回は参加者にとっても活動者にとっても心の拠り所となっている活動を2つ取材しました。そのうち鶴見区での活動をここでは紹介します。もう一つのNPO法人Unityの取組みはこちらからご覧ください。 |
<鶴見区>美味しいコーヒーとともにどなたでも気軽に参加できるカフェ |
◎どなたでも気軽に立ち寄れる |
鶴見区社協では、毎月第3金曜日の午後2時~3時30分に、区社協にて「つるりっぷカフェ」を開催しています。今回は、令和6年11月15日に開催した時の様子を紹介します。 |
当日はあいにくの雨でしたが、チラシを見て初めて参加された方もいました。この活動は、鶴見区地域包括支援センター連絡会等と連携しながら、カフェボランティアグループ「モカブレンド」や傾聴ボランティアグループ「ひまわり」、福祉ネイル「つるみソンリーサ」の方々が中心となって運営されています。認知症の方とその家族が参加できる「認知症カフェ」としての機能もあり、どなたでも気軽に立ち寄れ、予約なしで飲み物代を100円払って、ゆっくりと過ごすことができるカフェとなっています。 |
カフェボランティアグループの活動者は、区社協が実施したカフェボランティア養成講座に参加し、喫茶店の元店主から直接ハンドドリップで美味しいコーヒーの淹れ方を教わった方たちです。また、参加者が楽しく過ごせるよう傾聴ボランティアが、参加者のもとへ行って話し相手となり、その人のこれまでの人生や今の過ごし方などを聞いたりしていました。ネイルを体験できるコーナーもあり、高齢になって、おしゃれをする機会が減った方にとって、おしゃべりしながら明るく笑顔になれるひと時となっていました。 |
![]() ▲コーヒーを飲みながらリラックス |
◎住民にとっても私たちにとっても居場所 |
カフェボランティアグループ「モカブレンド」代表で、元喫茶店主の卯田裕子さんは「養成講座の講師をしていた時は、受講者と一緒に活動することまで考えていなかったが、講座を重ねていくうちにみんなと活動したいという思いが強まった。この活動は地域の居場所でもあるが、活動している私たちにとっても居場所となっている」と話しました。 |
また、同団体副代表の末吉千尋さんは「地域で何かしたいと思い、認知症サポーター養成講座を受講したが、何からしていいか悩んでいた時に、この活動を知り、地域活動への一歩を踏み出せた。これからも楽しく、しんどくなく、長く続けていきたい」と語りました。 |
参加者からは「100円でこれだけおいしいコーヒーが飲めてとてもよかった」「初めて来たが楽しかった。なかなか母と出かける機会がなかったので、このような場を知れてよかった」などの声がありました。 |
![]() ▲学んだカフェの淹れ方を実践し、みんなで確認 |
◎ふらっと誰でも来られるような居場所に向けて |
区社協の塚下瞳第1層生活支援コーディネーターは「カフェボランティア養成講座を経て、いろいろな方々がメンバーになってくれているなかで、メンバーにとっても居場所となっていると聞けたことは嬉しかった。現在も地域の高齢者やご家族等さまざまな方に来ていただいているが、生活のなかで生きづらさを抱えている人であっても、コミュニケーションを取りながら、通い続けられるような誰でもふらっと来られる居場所になるよう努めていきたい」と話しました。 |
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お問い合せ:大阪市鶴見区社会福祉協議会 |
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和7年1月号に基づき作成しています。 |