2023.08.07

法人就職説明会で社協の役割・事業を紹介

大阪市社会福祉協議会では、令和5年4月27日に大阪市立社会福祉センターで対面とオンラインのハイブリッド型で法人就職説明会を開催をしました。市社協・区社協の取組みについて、説明がありましたので、当サイトでも改めて紹介します。


社会福祉協議会では、社会福祉法に位置付けられた「地域福祉の推進」を目的とした民間団体として、さまざまな事業を展開しています。例えば、地域での福祉活動の立上げや継続の支援、ボランティアの育成や、関係団体のネットワークづくり、生活にお困りの方への相談支援など、その役割は多岐にわたります。また、尽力されている地域活動者が主役となった地域福祉の推進をめざすことから、社協職員は「黒子」と表現されることもあり、その役割を一言で表すことはできません。今回は、入職2年目と4年目、5年目の職員に大阪市社協を志したきっかけや、担当している仕事、そこに込める思いを聞きました。

〈西成区社協 藤井和希さんの話〉

【具体的な仕事内容を教えてください】
地域包括支援センター業務を担当しています。高齢者の総合相談窓口として、ご本人や家族、近隣住民から相談を受け、どのように解決していくかを相談者と一緒に考えながら、必要に応じて関係機関や制度につなぎます。介護保険制度に関する手続きや介護予防、認知症予防に関することなどに取り組み、高齢になっても安心して暮らし続けることができるようにサポートしています。
【やりがいを感じたエピソードを教えてください】
「本当に助かりました!」という言葉を言っていただけた時です。1つのエピソードとして、「腰が痛くて動けない」と相談があり、支援することになった介護保険未申請の高齢男性との関わりを紹介します。受診が必要となりましたが、歩いて行くことが難しかったので、区社協の車椅子を自宅まで持っていき、病院に同行しました。状態が悪かったため、そのまま入院となりましたが、本人が前向きな気持ちになるように、「元気になったらどこに行きたいか」や「退院して自宅に戻ったら、何がしたいか」などの話をしました。会話を重ねたこともあり、病院の相談員から「藤井さんのおかげで本人もやる気を出してくれているので本当に助かっています」と言っていただけました。そのように言ってもらえると、やりがいを感じます。

▲相談者の自宅に訪問する様子

【働くうえで、大切にしていることを教えてください】
まずは相談者の思いを受け止めて、共感することです。地域包括支援センターでは医療、介護、行政など、さまざまな職種との連携が必要です。区社協内においても、地域支援担当や生活支援コーディネーター、見守り相談室、あんしんさぽーと事業など、他部署の職員との連携が求められます。そのため、他部署の職員が普段どのような仕事をしているのかを把握するようにしています。

 

〈生野区社協 原友美子さんの話〉

 

【社協職員を志したきっかけを教えてください】
就職先を決めるうえで、高齢・障がい・児童など、1つの分野に絞らずに、さまざまな人と関わる仕事がしたいと思ったからです。多岐にわたる地域の課題への対応や地域福祉を仕事にしたいと考え、社協で働きたいと思いました。
【具体的な仕事内容を教えてください】
地域支援を担当しています。決まったルーティンの仕事はほとんどなく、地域のニーズにあわせて課題解決のためにさまざまな方と連携しています。また、イレギュラーに発生する相談に臨機応変に対応し、さまざまな困りごとの解決に向けて取り組んでいます。仕事を一言で言うと、「福祉のなんでも屋さん」です。地域住民、ボランティア・市民活動団体、社会福祉法人、学識経験者など、多分野の方といろいろな出会いがあります。はじめは、「何をしたらいいんだろう」と悩むこともありました。しかし、「なんでもしたらいいよー!」という言葉で自分の得意なことを活かして、自分にしかできない支援の形を考えてみよう!と、新しい講座や方法を実践しています。私が取り組んだことの1つに、「コロナ禍の影響により、希薄化した地域のつながりをいろんな人に課題と思ってほしい」と考えたことをきっかけに開催につながったイベントがあります。地域、ボランティア、外部のパフォーマンスやSDGsの取組みを進める団体と一緒に考えました。地域の課題にあわせた企画立案から団体との調整、広報・周知など大変なことも多かったですが、すでに地域住民がもっている強みを一緒に確認する場となり「つながりはこの地域のなかにあるんだよ」とメッセージ性を発信できたイベントとなりました。

▲コミュニティ農園「結びファーム」で講座を開催

【やりがいを感じた工ピソードを教えてください】
なかなか再開できなかった地域行事に対して、私が企画したイベントを通し、「前向きに再開を検討したい!」と地域の方からもとても喜ばれたことです。地域の活力、モチベーションの向上を肌で感じることができ、これが「地域支援」なんだと入社2年目にして実感することができました。また、実際にいろいろな方と話して、時には叱られながら多くのことを経験するなかで、社会福祉士とは、社協職員とは、地域支援とは、がわかる瞬間があります。いろいろな方に頼られて「地域支援ってこれやったよな!」となることが私の今のやりがいです。

 

〈浪速区社協 三木香澄さんの話〉

 

【社協職員を志したきっかけを教えてください】
地域福祉に携わりたいと思っていたからです。大阪市社協の説明会に参加した際に、自分がやりたいと思っていたことを楽しそうに話す先輩職員が印象的で、自分も一緒に働きたいと思ったのがきっかけです。
【具体的な仕事内容を教えてください】
見守り相談室を担当しています。住民同士のつながりをつくり、地域における日頃の見守り活動を促進できるよう支援するとともに個別ケースにも対応しています。大阪市の見守り相談室では主に3つの機能をもっています。1つ目が、「地域の見守り活動への支援」(要援護者名簿に係る同意確認、名簿整備を含む)、2つ目が「孤立世帯等への専門的支援」(制度の狭間の困りごとを抱えた方や必要な支援につながっていない方の相談対応)、3つ目が「認知症高齢者等の行方不明者の早期発見」です。
【社協の仕事の魅力を教えてください】
さまざまな形、多くの「つながり」を感じられることが一番の魅力です。社協で働いていて、地域のつながり、住民同士のつながり、支援者のつながりなどさまざまな「つながり」を感じることができます。つながることで、笑顔になったり、ちょっと肩の力が抜けたり、よりよい支援につながったりすることから、日々「つながり」の大切さを実感しています。見守り相談室では、人と人、人とサービスを新たにつなぐ役割を担っています。今つながっている人、まだつながっていない人、少しでも多くのつながりの輪が広がるよう努めていきたいと思います。
【やりがいを感じたエピソードを教えてください】
各地域の町会長や民生委員・児童委員、女性部の方々と地域のなかの「気になる人、ほっておけない人」の情報を共有する地域見守り会議です。会議の打合せから当日の運営など、すべてに携わりました。区社協内だけでなく、区役所や地域と協働するため、調整や準備などがとても大変でした。しかし会議のなかで、参加者から「見守り活動って大切やな。もっと進めていく必要があるな」といった声があがり、見守り活動の重要性を感じていただけたことで、とてもやりがいを感じました。

▲見守りミニ講座を開催し、見守り活動のいろはを地域を伝える

 

※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和5年6月号掲載記事に基づき加筆修正しています。

担当:地域福祉課