• 11住み続けられるまちづくりを

2024.08.09

活動者の広げ方のススメ5 地域との関わりを知ってもらうために、まずは活動者と顏を合わせる

地域福祉活動は、地域住民のつながり・いきがいづくりに寄与していますが、活動者の高齢化や減少により、活動の継続に不安を感じている地域や団体も多くあります。
住民と地域活動者が顔を合わせる機会をつくる
淀川区新東三国地域は、JR東淀川駅・新大阪駅、OsakaMetro東三国駅に近接しています。今回は、同地域の社会福祉協議会の会長を務める辻本啓二さん、地域活動協議会・連合振興町会の会長を務める仲川勝さんに、実施しているさまざまなイベント、なかでも小・中学校と連携した取組みを通して、新しい地域活動者を増やしていくために意識していること、工夫している点、活動を始めたきっかけなどをお聞きしました!

▲仲川会長(左)、辻本会長(右)

Q.新東三国地域での取組みについて教えてください
➡辻本さん
担い手を増やすためには、新東三国地域の活動を知ってもらうことや地域住民と一緒に活動することが必要だと考え、クリーンウォークや地域全体での大運動会、毎年土曜授業の一環として実施している防災訓練、夏祭り等をおこなっています。クリーンウォークは、みんなで町をきれいにするイベントで、活動しながら話すことを通して町の魅力の新たな発見ができる機会として、年3回程度開催しています。また、さまざまなイベントで、地域の中学生で構成しているジュニアリーダーにも担ってもらい、一緒に活動しています。そうすることで、みらいの担い手育成や地域、町会の人と顏を合わせる機会にもなっています。最近の防災訓練では、町会の大人とこどもが一緒に一時避難場所から新東三国小学校へ避難してくるという内容でおこないました。学校の担任の先生とも出会える機会になりました。
➡仲川さん
辻本会長のお話に加えて、小学6年生が卒業する際に「卒業生へのお話」として、地域の組織・団体・役割等を説明し、災害時には周りの助けが必要となること、だからこそ、どこにどのような人が住んでいるか知っておくことが重要で、地域との関わりを知ってほしいということを伝えています。そして、どのような地域活動が実施されているかを知ってもらい、1年を通じて実は地域と関わっていること、中学生になっても、大人になっても、継続して参加してほしいことも伝えています。また、フードロスマルシェ(販売期限や賞味期限の理由によって食べられるのに廃棄される予定の食品を販売し、独居の方等が外に出て買い物を楽しんでもらうイベント)も市営住宅やアーベイン(UR賃貸住宅)等のいろいろな場所で実施し、外出の機会にするとともに、相談コーナーやこどもコーナー等で参加した方とつながれる機会をつくっています。ほかにもはたちのつどいや凧あげ大会等さまざまな企画を通して参加者から活動へとつなげていけるよう取り組んでいます。
 
Q.地域活動者を増やしていくために意識していることはありますか
➡辻本さん
地域役員の皆さんは平均年齢が比較的若いこともあり、柔軟に企画してもらえるよう「こんなことをしたい」という声があれば、「まずは1回やってみよう!」の精神でやってみてもらっています。不評で難しければやめることも検討しますが、まずはやってみないことには何もわからないため、取り入れるようにしています。例えば、一人から「こども食堂をしたい」と声があがり、平成30年7月頃からやってみることとなりました。月1回継続して実施しており、今では宿題も見る等、居場所づくりになっています。
➡仲川さん
時間がある時に参加してもらい、少しずつ関わってもらえるようにとの思いから大運動会等の何かイベントの際は、ジュニアリーダーは自由参加にしています。また、「大変そうだから手伝おうか」という気持ちを自然ともってもらえるよう意識しています。そのほかには、やはり顔を合わせる機会が必要と思うので、小学校のPTAと話し合って、コロナ禍の時期から小学生の登下校を見守る「新東三国見守り隊」を再編・増強しました。こどもたちを含め、多くの方と顏を合わせる機会をつくっています。

▲新東三国地域役員の皆さん

Q.活動を始めたきっかけについて教えてください
➡辻本さん
子ども会をしていて、そこから知っている人と一緒に活動することとなり、今に至ります。活動が継続できているのは、こどもが好きということが一番ですかね。子ども会をしていた時やジュニアリーダー、はたちの集い、そのほかのいろいろな行事等で関わったこどもが「おっちゃん」と言って戻ってきてくれることがすごくうれしいです。成長した姿も見られるので、その時がやりがいを感じる一つでもあります。いくつになっても声をかけてもらえることはうれしいですね。
➡仲川さん
淀川区ではありませんが、自分がこどもの頃住んでいたところで、地域の方にお世話になったので、恩返ししたいと思っていました。バリバリ仕事していた時は重要な役割をなかなかできませんでしたが、できることはどんどんしていきたいと思いながら、今活動しています。大変な時もありますが、みんなで分け合いながら、飲み仲間もでき、地域が好きなので、楽しく活動しています。

▲10歳若返りダンス教室の様子

Q.今後の展望について教えてください
➡辻本さん
フードロスマルシェでは、毎回変化をつけられるよう考え、開催する場所を増やすことやブースの内容等、さまざまなことを模索しており、よりよい活動にしていきたいです。また、地域の行事では、カタチを変えてなら実施できるものは少しカタチを変えるなど、工夫しながら復活させていきたいと思っています。担い手についても、活動のなかで次の担い手を探しつつ、引き続き、担い手づくりにつながる取組みをしていきたいと思います。
➡仲川さん
賛同して参加してくれる人を増やすにはどうしたらいいのかを模索して、探していきたいと思っています。地域の活動では、他の団体とも横でつながり、連携して活動をしていくことが大切ですので、今後も一緒に仲良く協力し合って取り組んでいきたいと思います。
区社協へメッセージをお願いします
➡辻本さん
会議やフードロスマルシェ等でいつもありがとうございます。持ちつ持たれつで、これからも話し合いながら、いろいろな活動でよろしくお願いします。
➡仲川さん
地域の高齢者等で気になる方がいれば、すぐ動いてくれ、対応が早くて助かっています。防災訓練等さまざまな機会でも、今後もよろしくお願いします。
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和6年7月号掲載記事に基づき作成しています。
お問い合せ:大阪市淀川区社会福祉協議会