2024.05.08
活動者の広げ方のススメ3 活動している姿を見せ、魅力を伝える
地域福祉活動は、地域住民のつながり・いきがいづくりに寄与していますが、活動者の高齢化や減少により、活動の継続に不安を感じている地域や団体も多くあります。本記事では、新たな担い手発掘をめざして工夫をこらした取組みを紹介します。
城東区鴫野地域活動協議会第1部会長の田中良直会長へインタビュー |
今回はたくさんの地域活動を展開している鴫野地域の田中良直さんに地域活動に関わるようになった経緯や思い、新たな活動者を増やしていくための工夫などをお聞きしました! |
Q. 地域で取り組まれている活動を教えてください。 |
➡城東区鴫野地域は高齢者食事サービスやふれあい喫茶のほか、「おもいやり喫茶(地域包括支援センターと森之宮病院による血圧測定や健康相談等あり)」「しぎのカーニバル(鴫野グラウンドで、模擬店や盆踊りをはじめ、音楽やダンスなどのステージイベントも楽しめるイベント)」などたくさんの行事を実施しています。 |
コロナ禍では感染症拡大を懸念していましたが、現在では、ほとんどの地域活動が再開し、なかでも、ふれあい喫茶では毎回約70~100人と多くの方が参加し、賑わっています。 |
Q. 田中会長が地域活動に関わるようになったきっかけを教えてください。 |
➡約30年前、こどもが小学生の頃に同じ地区のなかで「こども会」活動に関わり始めました。自分のこどもが私の活動している姿を見て、喜んでくれたのが嬉しく、これまでの活動継続につながっています。また、地域のこどもたちと関わり、楽しんでくれている姿を見られることも原動力です。 |
Q. 活動をするうえで大切にしていることはありますか。 |
➡暮らしている方が「安心安全のまち」と感じてもらえることを大切にして、ちょっとしたことでも気軽に相談できる関係づくりを心がけ、普段のつながりのなかで気になることがあればすぐに声をかけられる、そのようなまちになるように活動しています。 |
Q. 活動者を増やしていくために意識していることはありますか。 |
➡1回活動に携わるとずっと役員をしないといけないというイメージを持っている方が多く、共働きのためできないと言われることがよくあります。そうではなくて、「行事ごとで参加できる時に来ていただき、自由に楽しんでください」と伝えるようにしています。また、活動を通じて、同世代や同じ地域に住む方と横のつながりをつくってもらえるように意識しています。また、「こどもの安全見守り隊」活動や地域・学校の行事等で、こどもたちと顔を合わせて、私たちの活動を知ってもらうことで、将来大人になった時に自分たちがしてもらった経験から地域活動に協力したいと思ってもらえるように意識しています。 |
Q. 現在力を入れていることや今後の展望について教えてください。 |
➡令和2年には、コロナ禍で恒例の敬老会もできず、顔を合わすことが難しかったため、高齢(70歳以上)の方、約2600人を対象に「どのように過ごしているか」「困りごとはあるか」などのアンケート調査をしました。集計は一般募集をし、大学生を中心とした約50人の方に関わってもらいました。「困りごと」については約400人から記述での回答があったため、何かのカタチにして返したいとの思いで、区社協にも相談しながら、鴫野地域で有償ボランティア活動「しぎのたすけ愛の会」を立上げ予定です。初めての活動ですが、手探りで進めながら、いろいろなカタチで若い方も巻き込み、多世代で取り組んでいきたいと考えています。 |
活動者を広げていくためのポイント |
1地域活動の魅力に気づいてもらえるよう、まずは気軽に参加を促す |
・活動に関わる前に持たれている負担感を軽減できるよう「行事ごとで参加できる時に来ていただき、楽しんでください」と伝える |
・同世代や同じ地域に住む方と横のつながりができる良さを知ってもらう |
・地域活動があることで、自分たちの家族がどこかで支えられていることを知ってもらう |
2若い方が将来、地域活動を担いたいと思ってもらえるように |
・取組みを知ってもらえるように、地域・学校の行事などのさまざまな機会で学生と顔の見える関係づくりを心がけ、活動している姿を見せることで将来自分たちも地域活動を担いたいと思ってもらえるようにする |
・高校生や大学生等にイベントで出演や運営、アンケート調査の集計など、いろいろなカタチで関わってもらえる機会をつくることで、地域活動に参画するハードルを下げる |
・こどもたちに関わってもらうことで、子育て世代にも地域活動への魅力を感じてもらう |
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和6年3月号掲載記事に基づき作成しています。
お問い合せ:大阪市城東区社会福祉協議会 |