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2024.04.16

活動者の広げ方のススメ1  三世代が活躍中の居場所をご紹介!

地域福祉活動は、地域住民のつながり・いきがいづくりに寄与していますが、活動者の高齢化や減少により、今後の活動の継続に不安を感じている地域も多くあります。本記事では、新たな担い手発掘をめざして工夫をこらした取組みをご紹介します。
西成区弘治こうじ地域ふれあい喫茶
 弘治地域では、ふれあい喫茶の開催場所を、コロナ禍をきっかけに老人憩いの家から、もと弘治小学校の体育館に変更し、月1回土曜日に開催しています。移転を機に、三世代交流を掲げ、参加者・活動者ともに、こどもから高齢者までが参画しやすい活動をめざしています。
 手作りのたこ焼き・ぜんざい・ベビーカステラ・クレープ・季節のメニュー等を、1品100円で提供しています。体育館の広さを活かし、メニューごとのブース制にすることで、多様なメニューの提供と、担い手の活躍につなげています。また、会場の一角には、西成区社会福祉協議会による相談窓口やボッチャの体験コーナーが併設されています。

▲チューバの生演奏をBGMに歓談

 取材当日(令和5年12月9日)は、近隣住民の他、学童クラブのこどもや他区から足を運んだ親子など、約200人の参加がありました。長年活動に関わっている活動者から「自分たちが作ったたこ焼きを食べて、笑顔になる人を見てやりがいを感じている。」というお話や、中学生の活動者から「今日はクレープを手伝ったが、みんな優しくて、いろいろなことができて楽しかった。」というお声がありました。

▲クレープブースは学生が主役

活動者の方々に新たな活動者を増やしていくために意識していることや工夫についてお聞きしました!
Q. 活動者を増やしていくために意識していることはありますか。
元山さん(弘治地域社会福祉協議会会長/弘治地域活動協議会会長)
「この人に関わってもらったらいいのでは」と思ったら、積極的に声をかけています。他の活動者と話し合いながら、例えば地域内の商店に「こんなことできないか」と相談したり、誘い合って参加してもらっています。また、今後の展開について、協力を申し出てくれた人には一緒に考えてもらっています。三世代交流と掲げているとおり、参加者もこどもから高齢者まで、活動者も活動者のこどもや地域の大学生も参加してもらう三世代交流になっています。
藤井さん(弘治地域ふれあい喫茶委員長)
活動者の皆さんには分け隔てなく接するように心がけています。長年活動に関わってくれている人と新たな活動者みんなが気持ちよく活動できるように目を配り、開始前のミーティングで初めて参加してくれる方を紹介しています。みんな元気に活動してくれているので、いくつになっても活躍できる活動にしていきたいです。
Q. 活動に参加されることになったきっかけをおしえてください。
三野みのさん(大阪府警察本部府民安全対策課西成子供安全コーディネーター)
小学生の登下校の見守り活動をして、元山会長をはじめとした地域の方とつながりができました。チューバの演奏ができることを活かして何かできないかと元山会長に相談したところ、毎月のふれあい喫茶で演奏の機会を設けてもらうことになりました。参加者の方々に顔を覚えてもらい、気軽に相談してもらいたいと考えています。
Q. 新たに活動に加わってくれた方が継続的に参加できるような工夫はありますか。
➡芝本さん(弘治連合振興町会西萩南町会長/西成花園郵便局長)
弘治小学校を卒業して、地域イベントに遊びに来た大学生や社会人に声をかけて、クレープのブースを手伝ってもらっています。今日は、中学生2人が参加してくれました。次も参加したいと思ってもらえるように、自由なアイデアを出して実行できるような環境をつくれるよう、学生にお任せする部分を多くし、とにかく楽しく活動してもらうことを大事にしています。
 
活動を広げていくためのポイント
1 来るもの拒まずの精神で関わってほしい人を誘い込む
・地域の団体内だけでなく、一緒に活動してくれる人と何ができるかを考える
・各活動者のつながりを活かして積極的な声かけをする
2 継続して参加しやすいような環境づくり
・新たな活動者を他の活動者にも紹介し、受け入れやすい雰囲気をつくる
・ブースに分かれて、少人数で声をかけあって活動する
3 活動者自身が楽しめる場をつくる
・自由な発想を取り入れられる場面をつくり、新たな活動者も能動的に楽しみながら参加できる場をつくる
・おもしろいことみんなで考える

 

※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和6年1月号掲載記事に基づき作成しています。

お問い合せ:大阪市西成区社会福祉協議会