2024.03.25

子ども・子育てプラザの「地域支援」を事例から学ぶ

「子ども・子育てプラザ」は、子育ての支援拠点として、乳幼児期の親子や小学生以上のこどもが集い、交流する場を提供する施設で、大阪市内24区に1館ずつあります。

現在、市内24館のうち9館を当該区社協が受託・運営しており、当該9区子ども・子育てプラザ(福島区中央区西区大正区西淀川区東成区城東区旭区住之江区)のマネージャーは、自主的に連絡会を開催し、市社協職員もその場に参画し、後方支援をしています。

※各プラザのHPは上記区名からアクセスできます。

▲今回、研修の会場提供・事例報告を務めた住之江区子ども・子育てプラザHPはこちら

 

子ども・子育てプラザには、訪れる親子やこどもたちに場を提供するだけではなく、地域の子育て支援活動をサポートし、活動者・支援者同士のネットワークを広げる役割もあります。その役割を中心に担う、子ども・子育てプラザの「地域支援担当」職員の学びの機会として、2月21日、住之江区子ども・子育てプラザで「地域支援担当研修会」が開催されました。

館内見学の後、住之江区子ども・子育てプラザのマネージャーと地域支援担当職員が「地域の思いをつなぐ ~主任児童委員と連携した事例~ 地域支援担当は歩くプラザ!」と題して事例発表。コロナ禍で、地域の子育てサロン(地域の主任児童委員やボランティアが運営する乳幼児の集いの場)が中止になっていたなかでも情報交換の場を持ち、再開に向けてともに考え、再開後に参加者が少なくても「この場所、この時間に継続されていることが大事!」とサロン運営者に前向きな声かけをしてきたと言います。

そうしたなかで地域支援担当が、ある地域の子育てサロンに出向いた際、その地域の主任児童委員(区の主任児童委員連絡会代表も務める方)から、南港エリアには子育て支援に関するイベントが少なく、区役所近辺で開催される場にも遠くて参加しづらいことから「南港で服(福)まわし(※)を開催したい」という相談を受けました。地域支援担当がその声を持ち帰り、発案者である主任児童委員を中心に、南港エリアの方も含めてさまざまな活動者・関係者が関わり、目的・役割などを共有しながら、実現につなげることができました。

※服(福)まわし:使わなくなったこども服・雑貨などを集めて、必要とする人が持ち帰ることができるイベント

実践をふりかえって、「小さなきっかけを見逃さずにつかむこと」「後方支援として、やりすぎないけど躊躇しない」「日々の記録・報告をしっかり続ける」「“歩くプラザ”という意識を持つ(地域に積極的に出向き、プラザを知ってもらう)」といったポイントが話されました。

その後、グループごとに情報交換を実施。

地域支援担当としての今の業務をふりかえり、どのような団体・関係先と連携しているのか、関わりのなかで意識していることや困っていることなどを共有しました。

結びとして、各自が「明日からやってみたいこと」を宣言。お互いの悩みに共感し、工夫を学び合いながら、それぞれの区の実践へと持ち帰る機会となりました。

企画したマネージャーたちは、これまで区社協の地域支援担当、第1層生活支援コーディネーター、見守り相談室管理者などの職種を経験しており、今回はそうした経験を活かして、社協としての「地域支援」の視点を、子ども・子育てプラザの職員育成・事業推進へと結び付けた内容となっていました。

区社協が各事業を通じて社協らしい強みや特性を活かした事業展開ができるよう、市社協では今後も取組みの支援や発信をしていきます。