2024.02.22

「取組みのぞき見」第2弾!(社会福祉法人ほしの会/ほしのてらす食堂)

広報誌「大阪の社会福祉」のコーナー「取組みのぞき見」(社会福祉施設の地域における公益的な取組みのご紹介)について、令和6年1月号の広報誌掲載内容に加え、取材担当者のコメントを紹介します。

 

参加者も 職員も みんなが楽しい こども食堂がつながりのプラットフォームに!

▲こどもとデイサービスの利用者が交流

社会福祉法人ほしの会が運営するライフライトでは、令和4年12月にこども食堂「ほしのてらす食堂」を立ち上げました。みんなで一緒にご飯を食べるだけではなく、ワークショップも開催し、さまざまな体験ができる場として、デイサービスの空間を使って毎月第4金曜日に開催しています。

法人として、高齢者施設を20年以上運営してきたものの、地域のなかではどこか遠い存在になっているのではないかと考え、地域支援の1つとして安心できる居場所、多世代交流拠点をめざしています。

コロナ禍で、給食も黙食が続いていたなか、友達と一緒に食事を楽しむ貴重な機会となり、毎回こども・保護者あわせて100名近くの参加があります。

▲毎回参加者、地域ボランティア、職員が楽しく活動!

法人内の職員や地域のボランティアも楽しみながら取り組んでおり、参加者同士だけではなく、人とのつながりをより一層感じることのできる活動となっています。

 

取組みのポイント

✓ 「何の施設?」から足を止めるきっかけに
✓ 人を思いやる仕事・人がいることを知ってもらう
✓ 友達と一緒にご飯を食べることのワクワク
✓ いろいろな人とつながることが職員のやりがいに

社会福祉法人 ほしの会 ライフライト

大阪市旭区赤川2-1-14 ロゼオグランデ1F TEL 06-6924-0041

 

【取材担当者のコメント】(地域福祉課 馬場)

足を止めるきっかけに

今回取材した社会福祉法人ほしの会は高齢者施設を中心に20年以上運営してきた法人。特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、居宅介護支援事業所、ヘルパーステーション、ケアハウス、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスとさまざまなサービスをもつ法人ですが、地域住民にとっては遠い存在のように感じられているのではと考えていたそうです。特に高齢者施設は、自身の親に介護が必要になった時に初めて相談窓口に話を聞きに行く、という方が多く、施設があることは知っているけれど、自分には関係のないところと思っている方が多いのかもしれません。

施設の近隣にある銀行の職員に「あそこ、老人ホームだったんですね」と言われたことをきっかけに、施設のイメージを変える必要があると思い、単なる高齢者施設から、足を止めるきっかけにならなければと考えました。

取組みを始めようと考えた当時(令和4年)は、コロナ禍で、高齢者は施設のなかに缶詰状態、面会制限が続いている状況。また、小学生のこどもをもつ施設職員からも、給食ではこどもたちが向き合って食事せず、黙食になっている状況を聞きました。人とのつながりが疎遠になっていることから、法人として、施設を多世代交流拠点とすることを打ち出し、こども食堂を始めることになりました。当初はヤングケアラーや貧困などを意識した実施を検討していましたが、とにかく多くのこどもに参加してもらえれば、そのなかに困りごとを抱えた人も来てくれるだろうと考え、広く集まることができる場として「ほしのてらす食堂」を実施することになりました。

 

職員もこどもたちも楽しい

開始当時は現在よりもコロナによる制限が厳しく、高齢者施設で人を集める事業を進めることはとてもハードルの高いこと。感染対策を徹底し、「ひとまずやってみよう」という精神で実施に向けて準備を進めました。

こども食堂に関わっている職員・ボランティアはおよそ15人程度。デイサービスや特別養護老人ホームの職員などが声をかけあって有志で取り組んでおり、さらにパート職員のママ友などにも声をかけ、地域ボランティアとして参加してもらうことになりました。また、こどもボランティアとして、のぼりの作成や配膳担当として関わっているこどももいます。普段は高齢者を対象として勤務している職員がこどもたちと関わる様子はとっても楽しそう。いろいろな人とつながることが仕事のやりがいになるのかもしれません。また、そんな姿はこどもたちにとって、人を思いやる仕事がある、こんな人が働いているんだ、という福祉の仕事を知るきっかけにも。施設内の仕事はなかなか見えにくいものですが、実際に職員と接する機会があることで、福祉の仕事ってどんな仕事なんだろう?もっと知ってみたい!という未来の福祉人材の育成にもつながるのではないでしょうか。

 

新しいつながりから生まれるもの

ほしのてらす食堂ではただ一緒に食事をするだけではなく、さまざまな体験ができるよう、ワークショップなども開催しています。例えば、工作体験やネイル体験、プログラミング体験など。それらの協働先にはなんと、こども食堂のSNSに「いいね!」をくれた方にダイレクトメールを送り、協力を依頼したところも! SNSの活用にはさまざまな注意が必要ですが、ほしのてらす食堂では、SNS掲載不可の方には赤色のストラップを首から提げてもらうなど工夫しています。活動の発信を広く行うことで、周知はもちろんのことですが、趣旨に共感してくれる協働先を見つけやすく、また、つながりやすくなりますね。通常であれば、つながることのなかった方とのつながりから生まれる体験教室はこどもたちにとっても貴重な経験の一つ。さまざまな体験を通して将来のことを考える一助になればとの思いがあるそうです。

施設での新たな取組みには、法人・職員、そして地域など各所との協働、そして理解が必要になります。しかし、取組みの意義や必要性だけではなかなか続かないもの。取り組む側も参加者も楽しみをもつことで地域にとって身近に感じてもらえる存在に近づくのかもしれません。