阪野さんは「今日一番伝えたいことは一人ひとりの『エエトコ』に注目することです」と語り、生活協同組合活動や被災地支援、こども食堂など、さまざまな活動に携わり、培った経験から、「『どちらがエエのか』ではなく、ボランティア活動を続けていくうえで大切なことは、『それぞれのエエトコ』を認め合うことです」と参加者へ伝えました。阪野さんが阪神・淡路大震災から長年いろいろな被災地で活動してきたなかでの出来事を一例として挙げ、避難所で最初から活動があったわけではなく、そこに集まった人で何ができるかを考え(コーヒーを淹れることができる方がいたら、避難所でコーヒーを淹れて配ってみよう、歌が得意な方には、こどもたちに歌をうたってもらおうなど)、「それぞれのエエトコ」を引き出して、形のないところから活動をつくりだし、つないできた経験も語られました。柔軟な活動をしてきた阪野さんでも、平成28年にこども食堂を始める時には、他区の多彩な先行事例を学んだ際、「ハードルが高いと感じた」とのこと。研修会で講師の言葉を聞き、難しく考えずに、自分ができることからやっていけばいいのだと思うことができたという話も併せて伝えられました。 |
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ボランティア活動の魅力を改めて気づきへ |
参加者が自身のボランティア活動についてふりかえりを共有したところ「メンバー同士で活動のやり方や段取りの組み方など考え方が違うこともあるが、いろいろな知らない方とも出会えるきっかけになった。今はボランティア活動をしていてよかったと思っている」「こども食堂をやっており、家では野菜を食べない子が、周りの子に刺激を受けて野菜を食べるようになったことが嬉しかった」などといった話がありました。 |
また、参加者から今後に活かしていきたいこととしては、「上から目線にならないように関わり、人と人の信頼関係を深めながら、横のつながりを広げていきたい」「なかなか活動者が増えないが、今日の話を参考に自分たちのことを知ってもらい、参加したいと思ってもらえるよう、発信していきたい」などの声があがっていました。 |
▲参加者一人ひとりも自身の活動をふりかえりました |
最後は、阪野さんから「固定したコミュニティだけでなく、異なるコミュニティにもつながりを広げながら、複数の人や団体との関係を築いていくことが大切で、活動を積極的に発信できるといいのでは」とメッセージが伝えられました。 |
区社協の三宅陸斗地域支援担当主事はセミナー終了後「今回、自身で何らかの活動をしている参加者も多く、苦難や悩みを語ってくれた方もおられました。このセミナーで感じ取れたヒントを活かして活動を見直してみたり、新しい仲間を探してみたりして、活動の充実につながればと思います。区社協としても、それぞれの『エエトコ』に着目し、活動をより一層サポートしていきたいです」ふりかえりました。 |
▲セミナー終了後の1枚(1列目中央:阪野さん) |
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和5年11月号掲載記事に基づき作成しています。 |
お問合せ:住吉区社会福祉協議会 |
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