2026.07.21
取組みのぞき見 社会福祉施設の地域における公益的な取組みをご紹介⑦ NPO法人W・I・N・G-路(みち)をはこぶ
| ▮障がい者と地域住民のたまり場をめざして |
| 西成区にあるNPO法人 W・I・N・G -路をはこぶ(以下、WING)は、重症心身障がい者をはじめとする障がい者を対象とした日中活動事業や地域交流事業、国際交流事業を実施している団体で、障がい者と地域との新しい交流の形を企画したフリースペースTamariba(以下、たまりば)を障がい者と地域の方々が同じ立場で参加、交流できる場として運営しています。 |
| たまりばでは、「さんでー×たまりばやたまりばコンサート」「CinemaCafeTamariba」「たまりばキッズくらぶ」「たまりばヨガ」などのプログラムに取り組んでいます。「交流のための交流」「招く・招かれる」という関係に陥りがちな施設行事となるのではなく、利用者と地域住民が同じ立場で参加し、交流できる企画を打ち出しています。 |
| この取組みは、社会福祉法人ゆうのゆうの生活介護施設利用者も参加しています。活動は主にWINGの施設で実施しているため、施設の外に出て、地域の皆さんと一緒に過ごす時間が生まれています。「招く・招かれる」ではなく、フラットな関係づくりが意識されています。また、「さんでー×たまりば」では、参加者全員が対等な立場で活動をしていますが、ブース出店をきっかけに地域の人とのつながりができ、事業周知や協力団体として関わってもらえる地域の人も増えています。ほかの取組みでも実施時間を昼間と夜間に分けることでより多くの方が参加できるよう工夫していたり、たまりばヨガは夜間に実施しているため、職員と地域住民が交流できる場として実施しています。 |
![]() ▲利用者と地域住民が横並びで映画鑑賞
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| ▮ここでしかできない自由な活動 |
| たまりばはプログラムごとに担当者を設け、担当者間での企画会議を経て、取り組まれています。「たまりばヨガ」と「CinemaCafeTamariba」を担当する職員の丸谷正幸さんは、「たまりばは制度下にある施設ではなく、施設外で地域住民とフラットに交流できる、つながれる場が必要だという思いから立ちあがりました。地域とのつながりは必要なものの、利用者が安心でき、安全に参加できる環境が必要であるため、職員の付き添いのもと、社会参加が実現しています」と話しました。 |
| 続けて、丸谷さんは、「多様なプログラムを設けていますが、日々の本来業務では職員が思うやりたいことを実現するには困難な状況のため、公益的な取組みを通じて、職員や法人としてやりたいことを自由に実現できる場として実践しています。そのため、本来業務に加えて取り組む職員は、他の職員と協力して取り組む風土が形成されていました。何事もやってみる前に判断することはできない。経験しないとわからないことも多く、経験することで対策や工夫ができます」と語りました。
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| ▮アートで学生とつながる |
| 普段のたまりばでの取組みに加え、一年に一度、大阪公立大学(以下、大公大)の学生と利用者の交流会を実施しており、法人として取り組んでいるビー玉アートの体験やボッチャ、お菓子作りなどを通じて、つながりづくりを図っています。 |
| そして、現在は大公大のボランティア・市民活動センターと連携して、「ビー玉アート大作戦」で募ったボランティアとともに企画し、大公大の学園祭での販売を目標に取り組んでいます。ビー玉アートを通じ、学生は障がいのある利用者との関わり方を学び、これまでより深く継続した関わりが持てるようにという気持ちが詰まっています。 |
![]() ▲親子と一緒に工作活動 |
![]() ▲ビー玉アートの作成風景 |
| ▮可能性を広げるのが私たちの仕事 |
| 今後の展開について、丸谷さんは、「現在の課題である広報を強化し、参加者を増やしていきたいです。また、一法人だけでは可能性に限界があるため、直接的な関わりではない間接的な支援をサポートしてもらえるようなパートナー(共感者)も増やしていきたいです。さらに、重たい障がいをもつ人でも自然と社会に溶け込んで生活できるようにはたらきかけたいと思います」と話しました。 |
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| ※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和8年3月号掲載記事に基づき作成しています。 |
| 【取材担当者のコメント】(福祉部:門脇) |
| 今回取材したNPO法人 W・I・N・G -路をはこぶは、「障がいの重さを家族の負担としない」を目標にさまざまな活動の場を展開し、既存の価値観にとらわれず活動しています。各施設でリサイクルショップを併設していて、訪問したデーセンター夢飛行は入口付近で日用品や衣類、雑貨のリサイクル品のほか、施設利用者手作りのオリジナル商品も取り扱っていました。誰もが気軽に立ち寄れる工夫の一つとして、一見、施設には見えない外観となっています。 |
![]() △デーセンター夢飛行の外観 |
| さまざまな取組みを企画していますが、取組みの根幹にあるのは「利用者の安心安全を第一に、どうすれば地域とつながることができるのか」という思いでした。利用者のなかには重度の障がいをもつ人もいるため、外出や地域活動の際には職員のサポートが必要です。そのため、たまりばに関わる職員だけでなく、多くの職員が協力しながら取り組まれていて、主な取組みは利用者がいる昼間におこなわれています。業務の一環として取り組みながら、職員のやりたいことを自由にできる良さが特色として表れていました。 |
| さらに、地域住民だけでなく、実習の受入れなどで関わりのある大学の学生との交流会もしていて、交流の場を楽しむだけでなく、互いのことを知るきっかけになっています。お話をお聞きした丸谷さんは学生時代のボランティア活動の経験から、福祉業界に進まれています。そのため、なるべく多くの学生に利用者のことを知ってほしい思いが取組みに込められています。 |
| 地域住民のなかには、利用者とどのように接したらよいかわからない人もいるため、コミュニケーションをうまくとれないこともあり、その両者をつなぐことが役目だと丸谷さんは話しました。互いに関わり続けることで、徐々に何を伝えたいのかがわかるようになることもあります。どのようにしたら利用者が感情を表現してくれるようになるのか、伝えてくれるのかを模索しながら、さまざまな工夫を凝らしながら接することの楽しさを教えてくれました。
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| 法人HP:https://www.yourwing.org/index.php |
| フリースペースTamaribaのFacebook:https://www.facebook.com/freespace.tamariba/ |

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