2026.06.22

<西区>交流を通して福祉への気づきにつなげる

 大阪市内では、車いすやアイマスクなどの体験学習だけではなく、当事者による講話や交流、障がい者スポーツのプログラムをはじめ、地域や社会福祉施設など多様な機関と協働した福祉教育に取り組んでいます。
 福祉教育は、「当事者性を高める実践」であると言われています。体験学習や講座・交流などを通して、福祉を我が事にするきっかけづくりにもなります。
 今回は、西区社協が堀江中学校、西船場小学校でさまざまな団体や福祉教育サポーターなどと協働して福祉教育をおこない、交流を通しての「学び」を意識して展開した内容について紹介します。
*福祉教育サポーターとは西区社協が令和6年度に開催した小中学校や地域で福祉教育を実施する際にサポートしていただけるボランティアを養成する講座を修了した方 
 福祉教育って?
 福祉教育は、すべての人がかけがえのない存在として尊ばれ、差別や排除されたりすることなく社会生活の中でともに支えあい、一人ひとりが生きる喜びを感じることができる、「地域共生社会」の実現に向けた取組みです。
 学校でこどもだけを対象とした取組みだけでなく、地域や企業などを対象とした講座やボランティア活動での学びを通して「ともに生きる力」を育むことを目的にして、ふだんのくらしのしあわせをつくるために、相手の立場になって「自分なら何ができるか」を考え、行動していくために何が必要なのかを学ぶことができる取組みです。
<堀江中学校>
▮動画を作成して継続した福祉教育に
 堀江中学校では、認知症への理解を深める福祉教育をおこないました。全校生徒が持っているタブレットで視聴できるよう、認知症の学びにつながる動画を作成することとし、当事者やその家族、医師、歯科医師、薬剤師、地域の身近な相談窓口である見守りコーディネーター、地域活動者などへインタビューし、その様子を撮影しました。
 インタビューでは、活動・仕事紹介、当事者の暮らしぶり、寄り添う時に気をつけていることなどを答えていただき、それぞれの立場だからわかることや視点について学ぶことができる動画となりました。今回は、令和7年10月24日に堀江中学校生徒会の4人が代表して、校区内の歯科医院や薬局を回り、インタビューしました。
 当日は生徒たちから歯科医師や薬剤師へ、「仕事で認知症の方と関わることがあるか」「認知症と思われる方と関わる際に気をつけていること」「認知症と口腔ケアは関係があるか」「認知症を予防・完全に治す薬はあるか」など、気になることについて質問し、理解を深めました。
 終了後、生徒たちからは、「自分や身近な人も認知症になる可能性があることを知ることができてよかった」「インタビューで学んだことを友達や周りの人に伝え、知ってほしいと思った」「今日の学びを将来に活かしたい」等の感想がありました。
 動画は保護者や地域の研修等でも活用される予定です。

△こどもたちが薬剤師にインタビュー

<西船場小学校>
▮交流して対話することで理解を深める機会に
 西船場小学校では、障がいへの理解を深める福祉教育をおこないました。11月13日と11月20日に小学5年生約70人を対象として、NPO法人 CafeMILLOや福祉教育サポーターの阿部和子さん、北村恭司さん、山本志保さんの3人と協働して、障がい事業所職員の講話をきいた後、ボッチャを通して障がいのある方々と交流の機会をもちました。
 学校側の、「障がいの話だけではわからないことがある。当事者と一緒に交流することが一番理解につながり、考える機会になるのではないか」との思いから今回の取組みを実施することとなりました。

△CafeMILLO、福祉教育サポーター、区社協職員のみなさん

▮一緒に楽しんでお互いを知る
 当事者が児童のチームに入り、各グループで自己紹介をした後、パラリンピックの競技でもあるボッチャを通して、児童と当事者が交流しました。実際のルールに沿った試合形式でおこない、福祉教育サポーターや区社協職員が審判で補助しつつ、「どんまいどんまい!」などと声をかけあって交流を楽しみました。
 初めて交流してみて、児童からは、「一緒にボッチャができて楽しかった」「いろいろとお話もできて楽しかった」などの感想がありました。また、休憩中には、児童と当事者が「好きな教科は何?」「何している時が楽しい?」などの質問をし合い、お互いの理解へとつながりました。
 最後は、全員で手話を交えて「虹」を歌い、終了しました。

▲区社協職員と福祉教育サポーターでボッチャのルール確認

 

※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和8年1月号掲載記事に基づき作成しています。
お問い合せ:大阪市西区社会福祉協議会