2025.08.07
飼育動物をめぐる社会問題に対して社会福祉専門職との連携を考える ~人間も動物も一緒に暮らすための勉強会~
住吉区にある特別養護老人ホームなごみにて、およそ2か月に1回、「人間も動物も一緒に暮らすための勉強会」が開催され、住之江区社協、住之江区加賀屋地域包括支援センターや住吉区北地域包括支援センター、動物関係団体、行政関係などの職員が参加しています。 |
この勉強会は、NPО法人ペットライフネットと社会福祉法人ライフサポート協会住吉区北地域包括支援センター、NPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク 人もねこも一緒に支援プロジェクトの協力から始まりました。福祉分野において、個別支援をおこなうなかで、飼育動物の不適切な飼育状況や多頭飼育崩壊といった問題に関わることがあり、そのような事例もあがってきています。支援者が飼育動物をめぐる社会問題に直面した際に対応できるよう、運営されています。 |
また、勉強会では、多頭飼育や不適切な飼育を予防するためには何が必要か、福祉専門職と動物愛護団体の連携方法などについて意見交換を通して考える機会となっています。 |
今回は、7月14日に開催された時の様子を紹介します。 |
地域団体や福祉専門職と動物愛護団体の連携について考える 当日は、まず参加した全員から近況報告をした後、各報告と意見交換をおこないました。報告では、「保護猫団体の勉強会に参加して、地域で飼育問題が生じた時に福祉専門職から丸投げされ過ぎて困るケースもあることを聞き、地域団体や福祉専門職と動物愛護団体がどのように連携していく必要があるのかを考える機会となった」「『高齢者と猫を守る備えについて』をテーマに研修会を開催した。『飼育動物がいる家庭へ支援に行った際に多頭飼育崩壊している時や、独居の利用者が入院した際の対応などで悩む時があるため、役立つ情報が多くあり、勉強になった』等の感想が多くあり、開催してよかった」「支援依頼が丁度あったが、50匹もの猫を飼育している家庭に支援に入ることになった。どのように関わっていこうかと悩んでいるところである」などがありました。 |
勉強会終了後、人もねこも一緒に支援プロジェクト代表の小池英梨子さんにお話を伺うと、「私は中学生の頃から猫の保護活動をおこなっています。福祉専門職は、日頃から地域住民と関わっていることからも、多頭飼育等の飼育問題を早期に発見することができる存在だと感じています。福祉専門職から、『訪問した対象者が飼育問題の世帯であり、どのように対応すればいいかわからず、困っている』などの相談を受けることが何度もあります。福祉専門職側のできることと、動物関係の団体ができることを話し合い、一緒に考えていくことで、利用者や飼育動物の継続的な支援につながると考えています。今後も多頭飼育のリスク等の情報を啓発し、予防的な仕組みをつくっていきたいと思っています」と話しました。 |
![]() ▲福祉専門職と動物関係の団体との連携についてやそれぞれが関わった飼育問題ケースの共有などをおこないました |