2025.07.09

らくがき消し隊 ~自分たちの地域を自分たちできれいにしよう~

地域を知り、なにができるかみんなで考えよう
 西区高台たかきや地域では、令和7年4月12日に「らくがき消し隊」「おそうじ隊」を同時開催しました。参加者はこどもから高齢者まで幅広く、地域住民や他の地域の方、医療関係者やまちづくり関係者など40人を超える方々が参加されました。
 この取組みは、令和6年9月から翌年2月まで3回にわたって「高台地域を知ろう!」と題し、開催した地域診断で住民が感じている地域のよいところと課題に感じているところを出し合ったことがきっかけとなっています。地域住民や地域の企業、医療・介護・福祉専門職、行政等の幅広い参加者が集い、「地域をよくするためにはどのようなことができそうか」と話し合い、「自分たちの地域を自分たちできれいにする取組みがしたい」などの意見が多くあがったことによって、清掃活動・落書き消しに取り組むことが決まりました。

▲集まった方々で集合写真

 

さまざまな視点から見えてきた地域の強み
 全3回の「高台地域を知ろう!」には延べ101人が参加し、毎回30人以上が4グループに分かれて楽しく熱く語り合いました。半数以上の方が全3回とも参加され、終了後のアンケートでは「大変満足」「満足」を合わせると92%という満足度が高い結果になりました。話し合いのなかで地域のよいところ・強みとして、「地域活動者の連携が取れている」「若い人が多い。女性会にも若い人が加入された」「公園や大病院含め医療機関が充実している」などがあがりました。困っていること・課題としては、「町会に加入しないマンションがある」「吸い殻やごみが多い」「オートロックマンションは支援者が入りにくい」などの意見が出ました。
 全3回を実施するなかで、「さまざまな世代の交流ができれば」との意見が出たことをきっかけに、参加していた保育園が地域のふれあい喫茶に園児を連れて参加し、多世代交流につながりました。
 参加者からは、「地域について知る機会になり、『一人じゃない』という思いを持つことができて、とてもよかった」「企業や病院、薬局、保育園など、この地域でのつながりの強さ、可能性を感じられ、とてもよかった」等の感想がありました。
 区社協職員は、「普段の担当業務の分野から感じている課題を共有しましたが、地域の方からは、さまざまな視点で地域の情報等が共有され、改めて地域を知る機会になりました」と話しました。

▲「高台地域を知ろう!」で地域のよいところと課題に感じていることを語り合いました

 

自分たちの地域を自分たちできれいにするために
  「らくがき消し隊」当日、高台連合振興町会会長の塚本哲三さんからのあいさつでは、参加者の方へ取組みに至った経緯が伝えられ、「『高台地域を知ろう!』で話し合いを重ねたことで、この取組みにつながっています。観光客もたくさん訪れる大阪・関西万博開幕前日に、きれいな街を見てもらえるように、みんなで力を合わせて街をきれいにしましょう」と呼びかけました。班ごとにエリアに分かれ、たわしや消去材(身体に影響のない薬剤)を使用し、電柱等の公共物に描かれた落書き消しやシールを剥がす作業をおこないました。
 また、「らくがき消し隊」の実施に際し、「こどもたちにも参加してほしい」との意見もありましたが、移動距離が長く交通量も多いため、集合場所の会館に面した公園でこども向けの「おそうじ隊」も同時におこないました。こどもたちが楽しく取り組めるよう、一般社団法人嗚呼A-Yan!!日本をアートで盛り上げる団に協力いただき、おそうじ刀を使って清掃活動をおこないました。
 参加者からは、「みんなで一緒に地域を歩くと、いつもと違った景色が見えました」「落書き消しを通して、新たな気づきがありました」「地域貢献につながり、達成感を感じることができるため、他の地域でも取り組んでほしいおススメの活動です」などの感想がありました。

 

話し合いの場から生まれたつながりの輪
 「高台地域を知ろう!」では、本音で語り合い、顔見知りが増えたことで、「このような会を続けてほしい」という声もあり、想像以上の成果を感じることができる機会となりました。また、「参加者の熱い思いが冷めないうちに、具体的な取組みをしたい」という発言があり、今回の取組みにつながりました。区社協では、今後も地域の自主性を大切にしながら、地域それぞれの特性をふまえて、他の地域でも語り合う場・出会える場づくりへの支援をすすめていきます。
※本記事は、広報誌「大阪の社会福祉」令和7年5月号掲載記事に基づき作成しています。
お問い合せ:大阪市西区社会福祉協議会