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【中央区】外出自粛の中でも見守り・つながり続ける

新型コロナウイルス感染症により外出自粛が要請される中、中央区社協では、自宅で過ごす高齢者のニーズ把握と見守りを兼ねた情報提供をすすめている。

▲高齢者宅にポスティングする中央区玉造地域の髙木義一 地域福祉コーディネーター


■ まずは声を聞くことから

中央区社協で、地域支援担当とともに企画・推進を担う生活支援コーディネーターの大谷琴美さんに取組みのきっかけを聞いた。「3月頃から集いの場が開催できなくなり、中止の連絡をすることが続きました。参加できなくなって残念だとの声や、次に元気で来られるようにがんばって過ごします…という声を聞く中で、これまで『閉じこもらないで交流しましょう!』と発信してきた生活支援コーディネーターとして、今の期間にこそできることはないかと考えました」。
まずは第1段階として、聞き取りによるニーズ調査を実施。地域福祉コーディネーター(地域ごとに配置)が、普段見守っている高齢者へ、電話や訪問により自宅での過ごし方などを聞き取り。また、老人福祉センターとも協働体制を組み、老人会会長やセンター利用者に同内容を聞き取り、200件を超える声が集まった。


【聞き取り項目と高齢者から寄せられた声(一部)】

①新型コロナウイルス感染症の影響により、自宅でどのように過ごしていますか?

→「テレビを見ている」「読書」「川柳づくり」「断捨離」

②外出自粛をする中で、健康のために工夫していることはありますか?

→「家の周りを散歩」「植木の剪定」「脳トレ」「ラジオ体操」

③今知りたい情報はありますか?または、したいことはありますか?

→「イラスト付きの家でできる体操」「脳の刺激になること」「人と会いたい、話したい」


■ 職員実演の体操チラシを作成

ニーズ調査後、第2段階として、A4両面の情報提供チラシを作成。表面は区保健福祉センター協力のもと、感染症の相談窓口情報を紹介するとともに、自宅での過ごし方として寄せられた「マスクをつくっている」「ラジオ体操」「電話で友だちとおしゃべり」など声を紹介。裏面には自宅でできる体操を8つ掲載している。

▲介護予防事業の講師監修のもと、区社協職員がモデルとなって実演。情報提供チラシのPDFデータはこちら(中央区社協HP)から。

4月下旬から、このチラシを地域福祉コーディネーター等に提供し、地域での見守りツールとしての活用を提案。大谷さんは「外出機会が減る中で、転倒して入院する高齢者も増えていると聞くので、高齢者の方には、このチラシを冷蔵庫などに貼って、1日5分、日替わりで体操してもらえたら。地域福祉コーディネーターには、このチラシを見守りのきっかけにしてほしい」と話す。


■ 難しさや迷いの中でも 見守りを継続

4月23日にチラシを受け取り、さっそく配付を始めた玉造地域の髙木義一地域福祉コーディネーターに話を聞いた。高木さんが日頃から見守っているのは要援護者名簿の登録者や、さまざまなきっかけで接点ができた人など200人を超える。

「普段から訪問を楽しみに待ってくれていて、“あんたの顔見たら元気なるわ”と言ってくれる人もいます。今は人との接触を避けることが原則ですが、最近つながりができた人の場合、訪問ではなく電話だと誰だかわかってもらえないこともあるんです」。この状況で見守る難しさを感じながらも、感染予防に留意して、相手に合わせた方法での見守りを続けている。

▲会館で打合せをする髙木さん(左)と大谷さん(右)

「高齢者の方には、外出自粛を呼びかけながらも、適度に散歩・運動することをすすめています。それと、以前から関わりがある方のもの忘れが気になっているけど、今の状況でどのタイミングでどう動こうか悩んでいて…」。そんな悩みは区社協職員に相談しながら、困難な状況の中で見守り・つながりを途絶えさせないためのかけがえのない役割を担っている。
大谷さんは「今回集約した高齢者の声は、実は普段から思っていることが表れていると感じています。その声を地域の中で共有しながら、この事態を乗り切るだけではなく、その先にある区社協としての平常時の取組みにも反映させていきたい」と今後を見据えた思いを話した。

▲チラシをもって高齢者宅へ


*この記事は、広報誌「大阪の社会福祉」780号(令和2年5月発行)掲載内容に基づき作成しています。

(担当:地域福祉課)

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