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東成区中本地域/京都市内のフォーラムで「なんでも相談」活動を報告

京都市内で2月29日(月)に開催された「中京区福祉のまちづくりを考える区民集会」で、東成区中本地域の「なんでも相談」の取組みが報告されました。大阪市内の事例が他都市で発信される貴重な機会!ということで、大阪市社協からも取材におうかがいしました。

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この区民集会は、中京区の「地域福祉活動計画」の推進に向けて年1回開催されており、今回は “地域での相談活動”に着目して企画。京都市と同じく政令指定都市における先進事例として、東成区中本地域の三枝直美さん(元ネットワーク推進員、前民生委員・児童委員であり地域ボランティアとして活動)、福永美和子さん(民生委員・児童委員/主任児童委員)、そして東成区社協の明渡昭子さん(地域支援担当)が登壇しました。

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▲左から:三枝さん、福永さん、明渡さん


■深刻な相談事例への対応──「こうなる前につながっていれば」

中本地域の「なんでも相談」は、毎月第1水曜の午後に、地域の老人憩の家で、地域住民と福祉専門職の協働による相談窓口を開設するという取組みです。

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初めに報告した三枝さんは、ネットワーク推進員として13年間にわたり活動してきました。その中で直面したさまざまな事例──例えば、制度の狭間の課題を抱えた人、地域とのつながりや支援を望まれない人、認知症高齢者の徘徊や老老介護──こうしたケースは、困りごとが見えてきたときには事態は深刻化していることが多く、三枝さんには「なんでもうちょっと前につながられへんかったんかな…」という課題意識がありました。

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そこで「住民相互に支え合うことの大切さを感じてほしい」との思いを込めて、学習会を企画。地域福祉活動に携わるボランティアとともに、今のなんでも相談に近い形で活動している他都市の地域を視察し、「こんな活動がわがまちにもあったらいいな」という機運をつくっていきました。


■開店休業でもいいんです!

なんでも相談に持ち込まれる内容は、高齢者、障がい者の暮らしに関する相談から、子育ての不安や悩みまでさまざま。相談を受けて、関係機関による専門的な対応につなぐこともあれば、地域でのつながりづくりに向けた調整をすることもあります。

こうした相談は、本人・家族からの相談もあれば「ちょっと気になる」「どうしよう」と気づいた近隣の人や地域役員から持ち込まれることもあり、報告では「当事者のためでもあり、支える側のためでもある相談窓口」と表現されました。

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なんでも相談活動に携わる福永さんは、相談事例の紹介とともに「なんでも相談は住民同士がつながり合うきっかけの場。その日そこに行けば誰かが話を聞いてくる、そんな場所を地域につくりたい。だから開店休業でもいいんです」と、地域住民として感じている活動の意義を語りました。


■なんでも相談があるから、安心して気づける

こうした取組みをサポートする東成区社協の明渡さんは「住民主体の活動を住民任せにすることなく支えていくのが区社協の役割。三枝さん、福永さんのような地域を支える人の存在が中本の強みだと思う。こうした取組みが一層広がるように支援していきたい」と話しました。

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3人からの報告に続いて、今回の区民集会の講師を務める花園大学 社会学部教授の川島ゆり子先生を交えて、事例を深めました。「なんでも相談のような場があるから、地域で積極的に声をかけられる」「なんでも相談は、安心して気づくためのお守り・後ろ盾になっている」との発言もあり、月1回の窓口であることにとどまらず、日頃の地域での気づき・つながりを後押し、支え合いのまちをつくるための重要な拠点であることが確認されました。

中本地域の報告の後には、川島先生から「地域の中の気づきから広がる助け合いの輪」と題した講演がおこなわれました。

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▲講演する花園大学 川島先生

 


■取材を終えて──

なんでも相談について、そのはじまりから、日頃の気づき・つながりを下支えしているという存在意義までお話しいただきました。都市は違えど、地域住民が語る実践報告として、中京区のみなさんにも響くところがあったはず!と感じました。

今回、中京区社協と川島先生から、大阪市内で主体となって相談活動をしている地域の方にお話ししてもらえないかとのお問合せをいただいたことがきっかけで、東成区社協との調整、中本地域の登壇へとつながりました。市社協には、地域に身近な区社協と、他都市社協をつなぐ役割もあります。これからも、市を越えた住民同士・社協同士の学び合い、高め合いが生まれる橋渡しができるように心がけていきたいです。

(地域福祉課 田淵)

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