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【広報誌・Web連動企画】地域福祉シンポジウム(2/4)Q&Aコーナー

2月4日に開催した地域福祉シンポジウム「おたがいさまでつながる地域の居場所」に、多数のご来場をいただきありがとうございました。

当日会場で集約した「質問カード」への回答をWeb上で順次公開していきます。

● 浪速区:大国こども食堂への質問 → コチラから

● 阿倍野区:きぼうのつどい への質問 → コチラから

● 此花区:働楽(ひまわり喫茶&コラボ企画)への質問 → コチラから


< 地域福祉シンポジウム開催レポート >

大阪市社協は、昨年度に続き2回目となる「地域福祉シンポジウム」を2月4日に大阪社会福祉指導センターで開催した。テーマは「おたがいさまでつながる 地域の居場所」。会場に集まった約200人と共有した大阪教育大学・新崎国広准教授による講演と、市内3つの居場所・サロン活動を紹介する。

■ “おたがいさま”から生まれる助け合い

「自分でできることは、自分でする。ただし、自分一人でできないことは、人の支援を受けても、かけがえない自分の人生を生き抜いてほしい」。福祉と教育に情熱を注いできた新崎先生は冒頭、これからの自立観を力強く語った。助け上手なだけでなく「助けられ上手」になってほしい。人は、誰かに「必要とされることを必要とする」存在であり、実は助ける人も元気をもらっている。そこに“おたがいさま”の関係が生まれる。
今回取りあげる「居場所」には、①精神的にホッとできる避難所機能(護ってくれる場)、②自分自身が受容される自己承認機能(自分自身が受容される場)、③自発的に新たなものを創り出せる創造機能(新しいものを創造していく場)がある。そして、ボランティアも参加者も、相互に生きがいや学びを得られることに触れ、実践報告へとつないだ。

■ 報告1/地域・学校・社協が一体で創る 「大国こども食堂」(浪速区)

昨年9月に発足した「大国こども食堂」。背景には、16年間休むことなく続けてきたこどもの見守り活動があった。平日夕方、毎日見守りポイントを回り、こどもたちから「おっちゃん」と親しまれる寺田守代表。月1回、自ら調理場に立ち、特製のカレーを作る。「みんなで遊べて楽しい」「おっちゃんのカレーがおいしい」…だけでなく「ここなら受け入れてくれる、という安心感がある」と話すのは、大国小学校の辻信行教頭。何らかの課題や寂しさを抱えるこども・家族も含めて「いろんな人が来られる環境をつくっているところに地域の懐の深さがある」。この活動が継続し、さらに広がるようバックアップする浪速区社協・財前義臣事務局長は「子育て家庭と地域の人の“顔見知り”の関係が大切。こどもたちが大きくなってからもこの場を思い出して、地域活動に参加してもらえれば人材の循環が生まれる」と話した。

■ 報告2/高齢者の生きがいと活躍の場 「きぼうのつどい」(阿倍野区)

介護予防教室への参加を機に、「つどいの場をつくりたい」と区社協・地域包括支援センターに日参した宮脇二郎会長(ビデオレター出演)の強い思いが「きぼうのつどい」の原点だ。報告者は、立ちあげ期から伴走してきた同センター・看護師の髙木晶子さんと、“ちょっと若手のボランティア”として声をかけられた元保育士で副会長の服部安恵さん。喫茶とともに毎回異なる企画を実施。ボランティアも一緒に楽しみ、参加者もノリよく応える。開催後のふりかえりで次につなぎ、みんなで元気になれる場を続けている。
この場の効果について、髙木さんは「高齢者の地域デビューや、サービス利用のきっかけになっている」、服部さんは「道端で『今月は何するの?』『次はいくわ!』と声をかけられたり、人間関係が広がった」と、専門職・ボランティアそれぞれの視点から語った。

■ 報告3/卵かけご飯と地域交流? 「ひまわり喫茶」&コラボ企画(此花区)

障がい者作業所の働楽では、職員・メンバー(利用者)で完結していた施設を開放しようと喫茶を立ちあげ、約10年が経つ。立ち寄る人は「ここは日頃何してるの?」と関心を向け、メンバーと近隣住民との間で、声をかけ合える関係が生まれた。さらに、喫茶を起点に「音楽会」「おしゃれ教室」など、多彩なコラボ企画を展開。
仕掛け人である指導員の阪憲明さんは、自身が好きな「卵かけご飯」とかけて、地域交流と解く。その心は…「施設が卵だとすれば、地域はご飯。混ぜ合わさるとおいしい卵かけご飯ができる。それには、卵の殻を割る、つまり“施設をオープンにする”ことが必要です」。フロアからの「ご飯(地域)側にできることは?」との問いには「あったかい方がおいしい(一同笑)。恐れずに殻をノックし続けてほしい」とユーモアを込めて返した。

■ できない理由よりできる工夫を

新崎先生は「いずれも実践者の熱い思いから出発している。居場所・サロンの場(地縁型)に、パフォーマンス・ボランティアなど(志縁型)が結びつくと大きな力になる」と総括。課題と言われがちなボランティアの「高齢化」については、「生きがい化」との言い換えを提案した。
また、阪さんが“殻を割る心がけ”として提示したフレーズ「できない理由を探すのではなく、できるためにはどうすればいいか考える」を引用し、「やれへん理由は100個でも言える。ちょっとしたアイデアでもいい、1個でもできることを持って帰ってください」と、参加者それぞれの次の一歩にエールを送った。

( 広報誌「大阪の社会福祉」3月号から抜粋 )

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