発信 あなたのそばの福祉のとりくみ

世代をつなぐ地域活動者に聞く 「公開座談会」レポート(前編)

広報誌「大阪の社会福祉」連載コーナー「世代をつなぐ地域活動者に聞く」の派生企画として、11月12日、これまでのインタビュー協力者が集まる「公開座談会」を開催。甲南女子大学の鈴木大介准教授を進行・助言者として迎え、地域活動の新たな仲間づくり、働く人・通う人の活動参加というテーマで、経験や想いを交わしました。

〈本記事は大阪の社会福祉第740号(平成29年1月発行)掲載内容に基づき作成しています〉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鈴木大介さん みなさん「はじめまして」なんでしょうが、私はこれまで誌面でお目にかかっていたので、一方的に親近感がわいています(笑)。まずは自己紹介をお願いします。

▲地域活動の参加・参画を促す要因に関する調査研究に取り組む。冊子「世代をつなぐ地域活動者に聞く」にも考察を執筆。

庄司佳奈さん(城東区東中浜地域) 私はPTAの役員を経験した後、転居先のマンションで町会を立ちあげました。最近では地域活動協議会で認知症カフェにも取り組んでいます。

▲町会長、連合町会・地域活動協議会副総務、主任児童委員。校下アクションプランプロジェクトチームのリーダーとしても活躍中。

島谷裕美子さん(住吉区清水丘地域) 同じくPTAをきっかけに、はぐくみネットや区社協の学習支援の取組みにも関わっています。

▲PTA、子ども会、はぐくみネットなどの地域活動を経験。区の中学生の学習支援事業(区社協受託)でもサポーターとして活動。

石野隆さん(東住吉区) 電気屋として何かしたいと考えていたところ、区社協の方が飛び込みで訪ねてきてくれたのがきっかけで、思いが合致し、地域の食事会で電気の話をしています。おかげさまで活動を始めて4年目です。

▲いしのでんき代表。大阪府電機商業組合東住吉支部に所属し、区社協とともに電気店の強みを活かした貢献活動を推進している。

鳥屋利治さん(都島区) 私は障がいのある人の地域での自立生活を支援するNPOを運営しています。仕事というより「運動」ですね。地域との接点は、福祉教育で学校に出向いたり、地元の地域活動協議会の構成団体にもなっています。

▲ NPO法人あるる代表理事。あるるでは、区障がい者相談支援センターを受託運営。中野まちづくり協議会の構成団体でもある。

竹田有希さん(阿倍野区) 地域のつながりに関心があって、大学院で研究していました。とはいえ、自分の住んでいる地域のことは何も知らない…そんなことから区の若手グループ「あべ若丸」(現・あべ若)に入りました。よく動いているメンバーは現在10人ぐらいです。

▲ あべのを盛りあげる若者団体「あべ若」代表。他市の行政職員として働き、勤務先の地域でもボランティアとして活動。

小笠原一磨さん(東淀川区) 地元であった花火大会を復活させたくて、けど「地域のことを知らなくては何もできない」と思い、ボランティアをしています。ちょうど明日(11月13日)、花火があがります!

▲ IT関連会社・株式会社サムライプラン代表取締役。東淀川区ユースリーダー代表を経験し、地域清掃、音楽イベントなどに関わる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

テーマトーク① 「地域活動に新たな仲間を引き入れるための仕掛け・作戦」 ※以下、敬称略

鈴木 それでは早速ですが、新しい仲間を引き入れるのに、どんな工夫をされていますか?

竹田 若い人が地域活動に関わろうとしても、下働きの役割ばかりを求められると、離れていくことも多いです。そこで、おもしろいと思えるイベントを企画する。その企画に「地域課題の解決」を結びつけることを実践しています。その一例が、桃ヶ池水質改善プロジェクトで、専門家の助言を得ながら、池に入ってレンコンの調査もしました。

島谷 たしかに「水質改善」という大義名分があるのは誘いやすいでしょうね。

小笠原 竹田さんの意見に同感で、地域のボランティアはこうあるべき…というイメージがあるというか、自主性じゃなくて人手を求めているのではと思うことも。私たちのごみ拾いは2人で始めて、音楽イベントも苦労がありましたが、「発信」と「行動」を大切に続けていれば、おもしろいことが起こるんですよ。

鈴木 続けていく原動力はどこにあるのでしょう?

小笠原 1回で結果を求めると心が折れそうになるけど、最初から4~5回やることを想定して、平均で考えるようにしています。

庄司 私は3年後、5年後の地域を考えて、昔からの行事も新しい人が入りやすいように変えていくことを意識しています。私が地域で活動していることで、同世代の人に関わりやすくなったと言ってもらえることもあります。

島谷 私の場合、子どもと一緒にイベントに来てくれるお父さん、お母さんをハンターのような目で見ています(笑)。熱心にお誘いすると、自分ができなくても「あの人ならどう?」と興味がありそうな人をつないでくれることもあるんですよ。

庄司 確かに、紹介の紹介、数珠つなぎというのはありますね。区のボランティア団体と、地域単位では誘い方も違うかもしれないですね。

石野 私はガッツリ関わるというより、地域での活動にお邪魔させてもらっているというスタンスです。仕事しながら活動できる環境づくりが大切ですね。

鳥屋 自立生活に必要な支え手や理解者を増やすため、一緒に活動して良かったと思えるようにすることも意識しています。

・・・後編につづく・・・

一覧はこちら