世代をつなぐ地域活動者に聞く「公開座談会」レポート(後編)
2017/01/1311月12日に開催した世代をつなぐ地域活動者に聞く「公開座談会」のレポートの後編をお届けします。登壇者のプロフィールなどは前編からどうぞ。
〈本記事は大阪の社会福祉第740号(平成29年1月発行)掲載内容に基づき作成しています〉
▲“公開”座談会ということで、ギャラリーとして社会福祉協議会・行政職員など24人が参加
テーマトーク②「働く人・通う人が地域づくりに力を発揮するために」
鈴木 地域活動は住んでいる人だけでなく在勤・在学者の参加という視点もあると思います。ちなみに仕事や家庭と、地域活動のバランスはいかがですか?
島谷 子どもが小さい頃は、晩ごはんを作り置くなど工夫していましたが、家族をほったらかしにしていないか…という複雑な気持ちはありました。
鳥屋 私の場合は日々の生活自体が活動であって、仕事とプライベートの境目がつきにくい。NPOではヘルパーを派遣していて、私自身何人もの方にお世話になっていますが、それはヘルパーの研修も兼ねているんです。家族との時間は意識しないと持てませんね。
石野 前までは仕事が第一でしたが、今は自分や家族、次に仕事、その後にボランティアの順位です。私は市外在住で、活動はお店のある東住吉区でしています。電気屋の仕事は家の中に入りますし、気になる人と出会うことも。活動してから、区社協など相談先ができました。
鈴木 在勤者として活動する石野さんからは東住吉愛を感じます。在学者という視点では?
竹田 地元の専門学校の学生さんにイベント当日のお手伝いをしてもらっています。打ち上げの飲み会で仲良くなり、継続的に参加してくれる人もいます。
小笠原 学生にとっては、地域貢献というより友達との遊びを延長したような感覚。友達つながりで広がることもあれば、代が替わるので継続が難しい面もあります。
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鈴木 本日はありがとうございました。地域活動は「やりがい」や「仲間づくり」などが強
調されがちですが、活動者のアツくて純粋な思いに頼りきってしまうことなく、「負担感」や「仕事や家庭とのバランス」にも配慮する必要があると感じました。担い手を広げていくに
は、若い世代特有の活動への思いや工夫、原動力に目を向けること、さらには、若手も含めて性急に結果を求めず、失敗や想定外も折込み済のものとして捉えていく姿勢が大切ではないでしょうか。
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最後は「世代をつなぐ仲間へのエール」をフリップに書いて記念撮影!
(前列左から)
島谷裕美子さん「やってみると案外楽しいよ」・・・とりあえず一回飛び込んでみると楽しい。食わず嫌いでなく、ちょっとでもできることから関われば、輪が広がる。
竹田有希さん「地域の中でおもしろいことを一緒に創り出していこう」・・・多様な選択肢があるなかで、地域に着目する若者は少ない。それでもこんなおもしろいことがあるならと興味を持ってもらい、一緒につくっていく仲間が増えれば。
庄司佳奈さん「想いをつなげよう」・・・心の中で思っていることは、みんな大小なりとも必ずあるはず。それを周囲の人、次世代の人につないでいくアクションをしませんか?
鳥屋利治さん「人とつながる 地域とつながる」・・・活動は、人と人をつなぐこと。いろんな人と思いを共有すると、新しい発想が生まれる。そして人とつながることは地域とつながること。そのおもしろさを伝えたい。
(後列左から)
小笠原一磨さん「頭の中でなく、心の中で考える」・・・おもしろいと思うのは心で思って、それをどうするかは頭の中で処理する。まず、自分がおもしろいかどうかを心の中で考えてみては。
石野隆さん「おもしろきことも無き世をおもしろく」・・・高杉晋作のことばを引用。おもしろくするのはあくまで自分。誰かがするのを待つのではなくて、自分から活動してみよう。
(後列中央:進行・助言者を務めた鈴木大介先生)
これからの地域活動を考える、刺激とヒントあふれる座談会となりました。ご参加のみなさま、どうもありがとうございました!(大阪市社会福祉協議会 地域福祉課)