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コロナの中で④オンライン版・子育てサロンを開始 -今年、出産したママのために-

このコーナーでは新型コロナウイルスの影響下において地域福祉に関わるさまざまな「人」に焦点を当てて、インタビューを通して、その人ならではのストーリーや思いに迫ります。


オンライン版・子育てサロンを開始 -今年、出産したママのために-

▲プロフィール:2013年、主任児童委員に就任。子育てサロンの運営ほか、「港区みんなと子育てしチャオ会」のメンバーとして区のイベントにも参画。中高生の未来 をサポートするNPO法人設立を目標に、キャリアコンサルタントの資格取得をめざす。3児の母、「週末里親」。


お母さんたちのストレスフルに驚き!?

森田さんは、PTA時代の先輩に頼まれて、2013年に港区弁天地域で主任児童委員の活動を始めました。「こどもたちも私も、同じ小・中学校の出身で、こどもが卒業しても地域のこどもたちのために何かできたら、と思いました」。

森田さんが運営している未就学児を対象にした子育てサロンは、忙しいお母さんが、ほっこりできる、やりたいことができる居場所です。1回に10~15組ほどが訪れ、習い事をしたりします。クリスマスのときは35組ほどで賑わいます。

子育てサロンを開いて驚いたことがあります。「最初、『夫が子育てを手伝ってくれない』といったママ同士の話を聴いて、子育てにストレスというのがしっくりきませんでした」。森田さんの子育て環境が恵まれていました。「実家は目と鼻の先でいつでもこどもを預けられ、実妹2人もこどもを可愛がり、夫は子煩悩で休みの日はいつも面倒を見てくれました」。

▲「トライ&エラーで心地のいい方向に進んでいきたい」森田さんの言葉は、取材に立ち会った区社協職員の心にも響きました


「不要不急の…」にカチン!

緊急事態宣言が発令され、メディアで繰り返される「不要不急の外出は控えてください」という言葉に森田さんはカチンときました。「(私たちの活動は)確かに不急、でも不要じゃないでしょ。不要だったら収まってもやらなくていいやん」 。

一方で気になったのは、今年、出会うはずだった母親たちのことです。「既にサロンに来ていた人はママ友とSNSでつながっている。今年、出産したお母さんたちは孤立していないかな?」。活動の「必要性」を確信した森田さんは、緊急事態宣言が解除された直後の5月28日には、まずは有志で「オンライン子育てサロン」を開設。無料ソフトでホームページを作成しました。

「閉じこもっていると、発達のことや子育てに対する不安ばかりがつのります。そんなとき『しんどい~』と口にするだけでも楽になります。リラックスして話せるようにお母さん側は画面をオフ、音声だけでおしゃべり。リアルな子育てサロンでは十分に聴けなかったお母さんの悩みを受けとめられたのは大きな収穫でした」。

オンライン子育てサロンは、9月から主任児童委員主催となり、徐々に参加者が増えています。

▲昨年「港区みんなと子育てしチャオ会」が主催した『みなとキッズ』は、区民センターで開かれました


自分の足で立てる大人に

正義感、思いやり、スピーディな行動力を持つ森田さんだが、「思いが強いゆえに周囲を振り回しているのではないか」という自身の一面に懸念があった。そこで、スムーズなコミュニケーションができるようにコーチングのスキルを学んだ。それから人の話を「あ、そうなんやね」と受けとめられるようになったという。

コロナ禍は、成人した森田さんのこどもたちが一堂に揃い、幸せな時間を過ごしたという。このときも、「就活している長男からベンチャー企業の内定をもらったと聴いて『おめでとう!』というと、『そこでホンマにいいのとかないん?』と物足りない様子で、『働くのはアンタやからね』というと少し驚いていましたね」。

森田さんは、週1回、中学校で地域の居場所づくり活動にスタッフとして関わっている。そこで出会う中学生に対しても「今の成績から将来を決めるのでなく、未来から今を見てほしい。自分の人生のリーダーシップを自分でとれる人になってくれたら」という強い思いを抱いている。

実は、森田さん自身、子どもたちを支援する「NPO法人設立」という夢がある。未来から今をみて、夢の実現に必要なキャリアコンサルタントの国家資格取得をめざして奮闘中だ。

▲月1回の子育てサロンは、母親たちの心の拠り所になっている (写真はコロナ前の様子)


本記事は、「大阪の社会福祉」第788号(令和3年1月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)

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