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【西区】「持ち帰り脳トレ」で 高齢者の外出促進

▲出席カードにハンコを押すのも、休まずに来てもらうための工夫のひとつ

西区九条南会館では百歳体操の後、参加している人たちが椅子を並べかえて“第2部”に取りかかります。前週に脳トレプリントが手渡されており、翌週に皆でその答え合わせをおこなうからです。百歳体操に参加していない人は会館まで脳トレプリントを取りに来てもらい、次週にその解答を渡すことで、外出の機会を提供します。西区社協・生活支援コーディネーターの石井まどかさんと地域包括支援センターの大森亜希子さんが、外出を自粛している高齢者の足腰が弱ったり認知症が進んだりすることを防ぐために「なんとか高齢者が外出しやすくなる仕組みをつくれないか」と知恵を絞った結果、生まれた取組みです。

参加者は80歳代が中心。ランダムな文字を並べ替えてもともとの単語を見つける問題や、ひとひねりした計算問題などの答えを一人ひとり順番に発表。車座になって回答を発表していく「答え合わせ」は、それ自体が和気あいあいの交流の場になっています。

参加者に話を聞くと「毎週新しいプリントがもらえるのが楽しみ」「家事の合間など、時間を見つけて脳トレにチャレンジするのが習慣になりました」と脳トレを楽しんでいる様子がうかがえました。

脳トレを現場で支えているのは、見守りコーディネーターの加賀山守さん。できるだけ多くの人に参加してほしいとの思いから、高齢者のいる住宅を一軒一軒、脳トレプリントを配って回ったといいます。石井さんは、加賀山さんの日頃からの地道な活動が参加者の維持・拡大を支えていると敬意を惜しみません。そして、「コロナの感染拡大が収まらない現状ではオンラインでの取組みも進めていますが、スマホやパソコンの苦手な高齢者が多いのも現実。脳トレプリントをきっかけにすることで、交流の場に参加する人、紙だけを取りに来る人など、さまざまな参加の仕方が生まれます」と高齢者のちょっとした外出の敷居を下げる可能性を話されました。

家から会場まで歩くこと、頭を柔らかくする脳トレ、気心の知れた仲間との交流。この3つをかなえる持ち帰り脳トレの取り組みは、コロナ禍においてオンラインの活用だけでなく、いかにシニア世代と外の世界とのつながりを保ち続けるか模索している地域活動団体にとって、貴重なヒントとなるでしょう。


本記事は、「大阪の社会福祉」第787号(令和2年12月発行)の掲載記事をもとに作成しています。

(担当:地域福祉課)

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