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【東成区】高齢者の買い物について話し合う会

商店の廃業や交通網の変化により、身近な地域で買い物ができず、不便を感じる人たちがいる。このような、いわゆる「買い物弱者」は全国で推計約700万人。都市部も例外ではなく、東成区内でも、近所での買い物が困難なエリアが生まれている。

こうした問題への気づきから、東成区社協では「どんな困りごとがあるのか」「どんな支えがあればいいか」を検討する会を区在宅サービスセンターで開催した。3月28日、「高齢者の買い物について話し合う会」として、困りごとを感じている高齢の方や、地域福祉活動の関係者など、23人が参加した。

■暮らしの視点から考える買い物支援

はじめに、区社協・生活支援コーディネーターの島岡繁希さんから話題提供。「会館までは5分やけど、スーパーまでは20分。帰りは荷物も増えるし、夏場はのどがカラカラになるわ…地域に出る中でそんな声も聞きました」と切り出した。

▲買い物マップを解説する生活支援コーディネーターの島岡さん

問題状況の整理のため、区内にあるスーパーを中心に半径300mの円を描いた「買い物マップ」を提示。2年前と現在を比較すると、スーパーの閉店により、買い物空白地帯が複数発生していることを説明した。また、区内の高齢者のうち一人暮らし世帯の割合は39%と高く、買い物に困る高齢者はこれからも増えていくことが予想される。


続いて、3グループに分かれた意見交換へ。買い物の困りごとについて「重たいものを買うのはしんどいから、息子が週末に帰ってくるのを待っている」「買い物は2日に1回は行きたいけど、近くのスーパーがなくなって週2回になってしまった」「今は大丈夫だけど、2~3年後、もし自転車に乗れなくなったら困る」といった切実な悩みが共有された。

話し合いを通して、そもそも買い物は生活に豊かさをもたらす“楽しみ”であるといった意見もあがる。「頼めないことはないけど…商品を見て、その中から自分で選べる方がいい」「買い物は外出するきっかけになり、リハビリの目標にもなる」「買い物の付き添いをしているが、その時はより一層、ご本人さんは元気な様子で、会話もはずむ」と、高齢者の暮らしの視点から、買い物に対する思いやイメージがふくらんだ。

最後には「会館や個人宅に拠点をつくって、移動販売を出してはどうか」といったアイデアも飛び出し、熱のこもった議論は、2か月後の第2回へと持ち越された。


意見交換の合間には、買い物支援メニューの一つとして、セブン―イレブンの宅配サービス『セブンミール』のお惣菜試食会が行われた。毎日使っている利用者がいる一方で、病気になった時や、妊婦などの単発利用もある。参加者からは「これがコンビニのご飯?意外に種類が豊富」などの感想が聞かれた。


同区社協が推進する有償活動「きづくちゃん『たすけ愛』活動の会」でも、前年度の活動実績520件のうち「買い物支援」が220件と、ニーズの高さが表れている。
島岡さんは「地域で見守り活動をする方から“近くのスーパーが閉店して困っている”という声を聞いたことが取組みのきっかけです。空白地帯がある地域には特に力を入れて参加を呼びかけました。今日の意見をまとめて、目標設定をしながら解決の糸口を見つけていきたい」と展望を語る。今回を出発点としたこれからの取組みに期待が高まる。

-大阪の社会福祉第744号(平成29年5月発行号)掲載記事から-

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