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【区社協活動レポート】住吉区社協/孤立死ゼロフォーラム

孤立死が絶えない状況に対する支援のしくみとして、住吉区では独自の「地域見守り支援システム」(※)を推進しています。このシステムに基づく「地域ごとの見守り体制づくり」や「CSW(コミュニティソーシャルワーカー)による支援」の具体的な事例を発信し、見守りの大切さを考える企画として「孤立死ゼロフォーラム -ひとりぼっちにしない、私たちの地域づくり2016-」が3月4日に開催されました。(主催:住吉区役所/事業受託者:住吉区社協)

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▲舞台上に並ぶ各圏域担当のCSWたち


 

■週1回の見守りを無理なく継続 -山之内地域から-

実際の地域での見守り活動事例として、山之内スマイル協議会(=地域活動協議会)から、地域支援相談員の和田勍子さん、畑山那津子さんが登壇。

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▲報告者の畑山さん(左)和田さん(右)

山之内地域では、平成26年4月に見守り活動をスタート。「町会加入・未加入に関係なく」「ボランティア1人の担当は5人まで」「最初は2人1組で訪問」という形で、一部の町会から始まりました。同年10月には、地域内の全町会に広がり、週1回の「見守り」とともに、月1回の「会議」では関係機関を交えて情報共有。ボランティアも、当初の10人から現在では26人になりました。

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和田さんは「活動を始めて間もなく2年。最初はあいさつ程度だったが、続けて関わることで訪問を楽しみにしてくれている人がいる。新聞がたまっていて、あわやというところで発見したケースもあった」と話します。畑山さんからは事例の報告があり、CSWに相談して専門的な支援につながったケースや、中には「地域で何か役に立ちたい」と会館のお手伝いをしてくれるようになった方もいることが話されました。

見守り活動をするなかで「どこまで見守るか」「拒まれる人にどう関わるか」は、永遠の課題。そんな難しさと向き合いながらも、山之内流の息の長い活動としていくため「会議の中では情報共有するが、守秘義務は必ず守る」「訪問したら記録し、月1回の会議で提出」「ひとりで悩まない!ひとりで解決しない!支援相談員と相談」といったモットーを掲げています。今後は、これまでの地域情報と、新たに受け取った行政情報(災害時要援護者支援台帳)をあわせた新たな体制づくりが検討されていくとのことです。


 

■CSWの「あきらめない」支援

続いてCSWからの事例報告。東エリアを担当する小林真一さん(社会福祉法人 四恩学園職員)から、精神障がいの男性(Aさん)に対する支援経過が紹介されました。

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▲CSWとして支援事例を報告した小林さん

緊急的な食料支援から始まったこのケースは、決して順風満帆にはすすまず、ときに周囲への攻撃的・拒否的な態度を見せることも。それでも「CSWがあきらめてしまえば、Aさんはまた一人ぼっちになってしまう」と、関わり続け「当初3つの支援機関で関わり始めたが、今では10の機関が関わり、本人の前向きなことばも増えてきた」と話されました。

報告の後には、各圏域を担当するCSWが舞台上に並び「“こんなこと言ってもいいんかな”という前置きとセットでいいので、気軽に相談してほしい」と呼びかけました。

 


 

■「システム」と「マインド」でつくる見守り活動

後半は、大阪市立大学大学院看護学研究科の河野あゆみ教授が講演。高齢者の意識・交流状況などのデータを示しながら、高齢者を地域で見守る意義と取組み例を紹介。

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▲見守りの意義を話す河野先生

「実は“見守り”には、英語で適切に訳せる言葉がないんです」と河野先生。支え合いの気持ちで、さりげなく気にかける──そんな独特のニュアンスは、日本特有のものではないかと語ります。見守り活動を車の運転に例えると、車・エンジン部分が「見守りシステム」であり、運転手に相当するのは「地域の見守りマインド=共感力」。両者があってこそ、見張りでも監視でもない“見守り”を推進することができる、とまとめました。

 


「住吉区地域見守り支援システム」とは/災害時要援護者対策と各地域における日常的な見守りを一体的なものと捉えた住吉区独自のしくみ。このシステムは、現在市全域で展開中の「地域における要援護者の見守りネットワーク強化事業」(平成27年4月~)に先んじて形づくられ、次のような特徴がある。

・地域活動協議会ごとの「支援事務所」を開設し、そこで「地域支援相談員」(交代制で事務所に詰める/有償)を中心とした相談・援助体制を構築。

・他区に先行して、要援護者台帳の作成に着手。同意確認に際して、未回答者への民生委員による戸別訪問や、介護保険事業者等の協力により、高い同意率となっている。

・「見守り相談室」(区社協による運営)を市内唯一区役所内に設置。包括圏域ごとのCSWは、それぞれ住吉区社協(区包括・西包括圏域)、ライフサポート協会(北包括圏域)、四恩学園(東包括圏域)の職員が担う。

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▲住吉区の神部保健福祉課長からシステム概要が説明されました

(地域福祉課 田淵、総務課 沼田)

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