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【住之江区】地域活動の後輩づくり〈広報誌・Web連動〉

広報誌「大阪の社会福祉」平成29年5月発行号では、特集「活動者とともに考える 地域活動の後輩づくり」(住之江区)をお届けしました。広報誌・Web連動企画として、区社協職員の思い、モデル地域でのアンケート結果などを、住之江区社協・まちづくりセンター(同区社協受託)へのインタビュー形式でお伝えします。誌面(4・5面)と合わせてご覧ください。

▲左から、住之江区まちづくりセンター・アドバイザー 小出泰生 主査、区社協・地域支援担当 巽俊朗 副主幹、坂根浩幸 事務局長(聞き手:大阪市社協 地域福祉課 小林・田淵)

──あらためて、担い手づくりのプロジェクトに取り組んだ「きっかけ」について聞かせてください。

大きく3つあります。まず、区地域福祉計画「ふだんのくらししあわせプラン」で、区内14地域すべてで“担い手の拡大”が地域課題としてあがっていること。次に、まちづくりセンター事業の評価で「これまで地域活動に関わりが薄かった住民の参加の促進」「新たな担い手の確保」が求められていること。最後は、現場の感覚ですね。

──現場の感覚・・・具体的には?

例えば、地域行事の準備で、ベテランの担い手の方々だけで大きなテントの設営をされている…そんな場面にも立ち会う中で、地域活動に取り組むみなさんは「活動」に注力される一方で、新たな人材を見つけて、受け入れるような「しくみづくり」は後回しになってしまいがちではないかと感じていました。今あるすばらしい地域活動がこれからも継承されるように、住民のみなさんだけにお任せするだけでなく、担い手の入口と受け皿づくりを後押ししていきたいと思いました。

──広報誌では、3回に渡る「検討会」を中心にまとめています。ふりかえってみて、いかがでしたか?

これまで社協職員として「一定のメンバーでの新たな活動の立上げを支援する」ような経験はありましたが、「新たな担い手づくり」って本当に難しいんですよね・・・参加の入口をどうつくるか、どのように受け入れるか。これは、いきなり「地域単位」で検討するより、各地域から参加者を呼びかけて「区単位」で場を設けた方がよいと判断しました。結果、各地域からは一旦離れて、視点を切り替えながら活発な話し合いができたと思います。

▲第3回・検討会でのプレゼンテーション

──検討会と並行して実施した「モデル地域でのアンケート」はいかがでしたか?

元々モデルの3地域で「行事の周知を工夫して、新たな参加者を呼び込もう」というイメージでした。しかし、提案させていただいたところ、地域のこれまでのやり方や思いもあり、すんなりとは進まず・・・それならば、同じ地域の住民の声を集めてそれをフィードバックしようと、地域行事の参加者へのアンケートを実施しました。その結果がこちら(=住之江区まちづくりセンター提供・アンケート結果・PDFデータ)です。

< 以下の掲載データは一部です >

 

 ──アンケートの結果を見て、いかがでしたか?

「地域活動に関心(興味)がある」人は、3地域それぞれ87%、99%(!)、79%…秋まつりや防災訓練でのアンケート調査とは言え、一般参加された住民のみなさんからこれだけ「関心(興味)がある」という回答があったことには驚きました。

▲モデル地域でのアンケートの様子

──具体的な“参加を促していくヒント”は見えましたか?

「どんな条件であれば関わってみたい(協力してみたい)と思いますか?」という問いでは、「時間が合えば」「関心のある分野であれば」という回答が多くを占めています。これとは別に、住之江区役所が実施した平成28年区民モニターアンケートでも、地域活動に参加していない理由として「時間がないから」「地域活動の内容がよくわからないから」「きっかけがないから」が上位になっています。こうした結果から、「時間の都合がつけやすい」「活動内容が分かる」「関心のある分野で活動できる」ことを意識して「きっかけをつくる」ことが重要ではないかと感じています。

▲平成28年区民モニターアンケートから

──モデル地域の方々の反応はいかがでしたか?

自分たちの地域で「関心がある人がこれだけいる」「こんな条件があれば…」という結果を共有することで、「個別に声をかけたら、手伝ってくれる人はいるんちゃうかな?」という期待の声や、「地域行事のブースに飛び込みで参加できる体験コーナーをつくってはどうか」というきっかけづくりのアイデアも聞かれました。今年度は、区役所とともにこうした地域単位での実践の具体化に向けた支援もすすめていきたいですね。

──より踏み込んだ展開になっていきそうですね。そのほか、担い手づくりについて構想していることは?

新たに「防災ママカフェ@住之江」という企画を考えています。子育て層が関心をもって集まる場をつくって、既存の活動者との出会いの機会をコーディネートすることができればと。もう一つ、各地域活動協議会の運営面で、有償による担い手づくりも推進したいと考えています。

──有償による担い手・・・どのような活動内容ですか?

具体的には、地域活動協議会ごとのニーズに応じて、「会計事務」や「電子広報媒体での発信」などを想定しています。例えば、企業で会計事務の経験がある方、SNSの運用に長けた方など、地域には強みを持った人材がたくさんおられるはず。そのような方々が、仕事が休みの日や、時間の都合をつけながら、新たに地域活動に接点を持つことで、現在担っておられる方々の負担も和らげばと考えています。

──ありがとうございました。現場で感じる“担い手”の課題に基づき、地域のペースに合わせたアプローチを試みていること。そして、単発で終わることなく、一年間で着実にあゆみをすすめ、次のビジョンを描いていることを感じました。市社協としても、引き続きこの取組みを追い続けていきたいと思います。

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